2009/12/01

I Cタグとレシーバーを組み合わせたIT機器管理システム

Tag_system091109123456電子機器の進歩に伴い、短時間に大量のデータを処理することで、人件費の削減と作業の能率化・正確化が進んでいる。 10年以上前に、「これからは、ICタグによる物品管理の時代になる。」と言った友人がいたが、まさしく、その予言どおり、ICタグによる物品管理の時代になっている。ICタグは産業廃棄物の適正処理や商品の物流管理における環境負荷の削減等に利用されるのは当然であるが、子供の安全を確認するためのシステムや、万引き防止のためのシステムなど、セキュリティの面でIT化は多大の貢献をしている。このような電子機器システムの開発を手掛け、全国にシェアーを持つ北興産業株式会社(富山市今泉西部町、中健一社長)を訪問した。当社は、IT化の面でトップランナーであるとともに、エコアクション21の認証制度が始まるとともに、富山県で3番目という速さで認証・登録を受け、環境の面でも先頭を切って走っている。当社が今回開発した新しい管理システムの大きな特徴は、タグとレシーバーを組み合わせているところは従来型と同じだが、レシーバーにハンディレシーバを採用したことにある。どういうことかというと、タグから発信される電波は、せいぜい10m程度しか届かず、これを管理するためには、10~20mの間隔でレシーバーを設置する必要がある。これが従来のような設置型である。ところが今回開発されたシステムは、レシーバーをノートパソコンに接続して持ち歩くことが可能で、レシーバーが1個でよいこと、行った先々で、そこにあるタグの情報を入手でき、たちまち情報処理ができることが大きな特徴である。さらに、ノートパソコンを大型のホストパソコンに接続することで、あらゆる情報処理が可能になる。今まで数日かかっていた在庫の棚卸が、数時間で処理できるメリットから、全国展開する通販業界や、家電業界、など、多くの在庫を抱えて流通させているあらゆる業界に適用されると注目を集めている。
写真:左より北興産業株式会社 中健一社長、以下,左より順に上段、中段、下段:アクティブタグ(単方向タイプ)(双方向タイプ)による資産管理システムのご提案 出典:北興産業株式会社

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/16

「スマートグリット構想」 その2 

212223242526 272829210211212スマートグリッド」についてその1では定義や構想の背景、その支える技術についてお聞きした。今回は1)配電自動化、2)スマートグリッドとマイクログリッド、3)今後の日本のエネルギーについてお話を伺った。対応していただいたのは前回と同じく 技術部 系統技術グループ マネージャー 岡本浩氏である。

1.配電自動化について
前回、我国電力送電網は欧米と比較して電気の流れがシンプルで監視・制御しやすく欧米に比較すると安定した電力供給ができていると話しましたが、今回はその話に付け加えて、お客さまに電気を届けている配電ネットワークの自動化システムについて話をしておきます。配電自動化システムとはネットワークのどこかに事故があり、電気の流れが寸断されてしまっても自動的に不具合の生じた場所を検知して停電を早期に復旧させるシステムといえばわかりやすいでしょう。停電の経験がある方もいらっしゃると思いますが、このシステムにより昔よりも復旧は早まっていると思います。事故があると、配電用変電所の根元のブレーカーが落ちて送電が止まり1度停電になりますが、自動的な再送電などの操作によって事故の場所を特定し、その周辺の開閉器を遠隔操作して停電範囲の被害を狭め(連系用自動開閉器も使用して他の配電網からの電力の引込等)、事故現場の早期の復旧が可能になっているわけです。このために、コントロールセンターでネットワークの監視・遠隔操作ができるようにしています。(資料1、2、3)このシステムは欧米に比較して普及しており、現在ではこの送配電網ネットワークをさらに高度化して多くの情報を活用しようと検討を進めています。エネルギーの送配電網と情報網を一体的に活用していくわけです。送配電網ネットワークの有効活用と考えればイメ-ジはしやすいと思います(資料4、5)

2.スマ-トグリッド構想とマイクログリッド構想
スマ-トグリッド構想の前に我国(経済産業省)ではマイクログリッド構想を推進していました。マイクログリッド構想とは簡単にいうと「エネルギーの地産池消」という表現がぴったりくると思います。ある島を想像してみてください。その島のエネルギーをその島の発電設備のみで賄い特定エリア内で自給自足のエネルギーを調達するわけです(資料6)。NEDO(新エネルギー技術開発推進機構)では、各地でマイクログリッドの実証試験を行ってきました。イメ-ジ図にあるように不安定な分散型エネルギーを、電力貯蔵設備などと組み合わせて上手く調整するわけで、ここではエネルギーの情報管理技術(IT制御システム)が当然必要になり、スマートグリッドのコアであるエネルギーの情報管理技術(IT制御システム)と重なり、ある意味スマートグリッド構想よりもマイクログリッド構想のほうが実験段階ですがより先行しているといっていいかもしれません。スマートグリッドとの相違点はマイクログリッドは系統電源(安定供給する一般の原子力・水力・火力等の大型電源)にできるだけ頼らない仕組みを考えている点です。系統電源に頼らない分設備コストは現段階ではどうしても高くついています。また、出力が不安定に変動してしまう分散電源も、実は電力会社のエリア全体で見れば、その変動がある程度は均(なら)されて来ることがわかっており、マイクログリッドという狭いエリアで考えるのではなく、系統電源も含めて全体を協調させた方が、コストも安くすみ合理的ではないかと思います。全国の電力会社の供給エリアで、太陽光発電が大量導入された時の出力変動の「ならし効果」がどの程度有るかを分析するための実測を今年からスタートさせています。

3.今後の日本のエネルギーについて
前回、お話しましたが、これからのエネルギーを考えていく上で重要なポイントは安定したエネルギーの中に不安定なエネルギーを安定的に効率的にうまく取り入れていけるかどうかだと思います。不安定な電源であるがCO2を出さない太陽光、風力、等の技術開発に電力貯蔵技術、そして安定した電源である原子力、水力、火力、これらをうまく組み合わせていく事が(ベストミックスの発想)が必要になってきます。参考として弊社が検討している太陽光発電導入の取組みと課題を提示しておきます(資料7、8、9)。エネルギー供給側の環境技術の推進とともに、需要側の設備や機器の環境技術の推進は低炭素化社会の実現に向けて大きな影響力があることはいうまでもありません。2018年時点の電力供給のCO2排出源単位(1kWhあたりの電力消費により発生するCO2排出量)の見通しから推定すると、10年後には電気自動車とガソリン車を比較するとCO2の削減効果は約75%にもなり、又、従来型の燃焼式給湯器とヒートポンプを比較すると削減効果は約50%になります。電力貯蔵技術やエネルギー効率の向上、冷媒の開発、自動車や機器の普及など考えれば今後さらに期待できるでしょう(資料10、11)。供給側・需要側双方の取り組みを推進することで、CO2削減の相乗効果が生じてきます。今後のエネルギーの方向性として化石燃料の燃焼により熱やエネルギーを造る方式はCO2を排出しますから、高効率のもの以外は極力抑制されて(もちろんエネルギーを大量に安定供給するうえでは現段階では欠かせない方式です。)、それと相まって需要側の環境技術が向上して1歩1歩低炭素化社会が実現する方向に向かうのではないでしょうか(資料12)

ヒアリングを終えて
ベストミックスという考えは現実的で妥当な考えだと思う。現在の最良策を考え、改善策がでてきたらそれを取り入れるといったように現実的に踏み出していくことが重要であろう。日本のエネルギーは実際に原子力・火力・水力といった大量に供給できる安定した電源に支えられている。(現段階で大量に安定供給してしかもCO2を出さない原子力発電が3割以上を占めている)である。そのことをベースにエネルギーを考えることを再認識したしだいである。

写真1段目:資料1(スマートグリッドについて 2009年10月P27)
1段目:資料2(スマートグリッドについて 2009年10月P28)
1段目:資料3(電力設備 平成21年度版P44)
2段目:資料4(電力設備 平成21年度版P45 一部抜粋)
3段目:資料5(スマートグリッドについて2009年10月P29)
3段目:資料6(スマートグリッドについて2009年10月P11)
3段目:資料7(スマートグリッドについて2009年10月P31)
4段目:資料8(スマートグリッドについて2009年10月P33)
4段目:資料9(スマートグリッドについて2009年10月P35)
4段目:資料10(スマートグリッドについて2009年10月P23)
5段目:資料11(スマートグリッドについて2009年10月P24)
5段目:資料12(スマートグリッドについて2009年10月P34)
出典:東京電力

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/01

JETPA 今月のキ-ワ-ド「排出権取引」

PhotoPhoto鳩山首相の国連での温暖化防止気候変動首脳会合で演説した温室効果ガス削減目標「1990年比で2020年までに25%削減することを目指す」との表明は環境技術のさらなる促進を加速させるのは言うまでもない。又、地球温暖化防止は1国の目標だけではなく地球規模の制度(仕組み)が必要になり、その中でも排出権取引はビジネスとは本来距離のある「環境」を「ビジネス」に変え、良い悪いは別にして環境(温暖化防止)をグロ-バル化させる制度であるといえる。「排出権取引の仕組みの構築=温暖化防止を促進させる新ビジネスルールの構築」と考えるとわかりやすいだろう。方法論として1)「キャップ&トレード」と2)「ベ-スライン&クレジット」の2つがある。
1)「キャップ&トレード」はCO2を排出する企業に排出枠を設定して(排出できる総量を設定)、この目標値を厳守しなさいということである。目標値をクリアした場合はそのクリアした分の排出量はクリアしていない企業等に売れる。逆にクリアできなかった場合は他から排出量を購入して目標値を達成する。
2)「ベ-スライン&クレジット」は企業等がCO2削減プロジェクトを推進し実施したケ-スでそのプロジェクト推進前と比較して削減できたCO2の削減量がそのまま排出権としてカウントされ、販売することができる。簡単にいうと以上になるが、課題として1)「キャップ&トレード」においては排出枠をどう公平に割り当てるかが課題で手法についてはいろいろな意見が出ている。(オ-クション、グランドファ-ザ-リング、ベンチマ-ク等)         
2)「ベ-スライン&クレジット」についてはプロジェクト実施前の排出量の見通しと実施後の削減量の計測に時間やコストがかかることが課題である。
環境と経済をセットにした排出権取引は様々な課題を抱えながら制度化に向けて動きはじめている。CO2の排出量で市場が形成され、お金を中心に制度がまわってしまい、「温暖化防止の努力より商売に力点が置かれてしまう危惧がある」という意見と「お金が絡むからグロ-バル化し温暖化防止が促進する」という意見等、様々な意見 がある。また国際市場の形成に関しては発展途上国と先進国の排出削減の国別割当てと削減義務が大きな課題になっている。温暖化防止を促進するための排出権取引の動向とその仕組みについて今後内外ともに目を離せない。
写真:イメ-ジイラスト

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/10/16

「温室効果ガス(CO2等)25%削減政策について思う」

2Photo民主党は、2009年8月の衆議院議員総選挙のマニフェストで、『CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)、2050年までに60%超減(同前)を目標とする。』という地球温暖化対策を打ち出し、政権獲得後の国連総会で、鳩山首相は、2020年までに25%減(1990年比)とすることを公約した。自民党の麻生政権が打ち出した8%削減(1990年比)とは、大きな隔たりがあることから、当然、各界からいろいろな反響が出ている。
日本の産業界に大きな打撃を与えるのではないかと懸念する声が大きい。世界的に見て、アメリカ、中国、インドという巨大排出国が、積極的な姿勢を見せていない今、日本だけが、公約を守れという追及を受けるのではないか。アメリカが、オバマ大統領になって方向転換しそうだとは言え、京都議定書の締約国にならないのは、まさしくアメリカ経済を壊滅させたくないという思惑からだろう。などという懸念は、経済人として当然だと思う。また、1990年比という時間設定が、環境対策の先頭を走り続けてきた日本にとって、不利ではないか。すなわち、同じ削減率でも、1990年当時すでに対応を進めていた日本のような環境対策先進国と、これから始めようという環境対策途上国との間で、対策の困難さに差があるという議論である。トップランナーが損をするシステムは、決して推奨されるものではない。もっと基本的なところでは、地球の気温上昇は温室効果ガスのせいだろうかとか、地球は、温暖化に向かっているのではなく、寒冷化に向かっている。現在の気温上昇は一時的なものだという議論などがある。その他、賛否両論が渦巻き、それぞれに言い分がある状況を見て、私は、1960年から、1970年頃に至るころの公害論争を思い出した。戦後経済復興を優先してきた政府は、水俣病、イタイイタイ病、新潟水俣病、四日市ぜん息に代表される公害病が全国各地に発生するのを見て、経済優先から公害対策へと大きくカーブを切った頃である。1970年(昭和45年)12月の公害国会で、14本もの法律が、制定・改正され、公害に係る法体系が整い、対策優先の政治が始まった。私たち公害行政に携わっているものにとって、大いに歓迎すべき方向転換であったが、経済が失速しないかという一抹の心配もあった。しかし、日本の公害対策技術は、見事に経済を失速させること無く、世界のトップランナーになることができた。私には、政権交代が行われた今、ちょうどその頃の状況にオーバラップして見える。25%削減という目標を掲げたからには、政界、財界、国民一体となって目標達成に向かって努力するということが必要ではないか。目標が達成されるためには、多くの犠牲も必要だろう。また達成できないかもしれない。1960年代のように、目に見える被害が顕著ではないことから、国民の意識としてピンと来ないのかもしれない。今は、目標に向かって努力することが大事で、達成できるかできないは問題ではない。
努力すれば、かつてのように、環境対策で、世界のトップランナーに成る可能性もある。夢を持って生きたいものだと思う。
JETPA 会長 柴野嘉寛  写真:イメ-ジイラスト


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/10/01

「スマートグリット構想」 その1 

Img_046512356                                                                                                                                      エネルギーの分野で「スマートグリッド」という言葉が最近話題になっている。スマートグリッドを直訳するとsmart:賢い,grid:送配電網 ということになるが、これでは抽象的すぎてわけがわからない。今回は「スマートグリッド」について、東京電力株式会社を訪問し、その定義や内容、今後の展開についてお聞きした。対応していただいたのは 技術部 系統技術グループ マネージャー 岡本浩氏である。
今回は内容構成上2回の掲載にし第1部を「スマ-トグリッド構想その1」 第2部を「スマ-トグリッド構想その2」に分けて掲載していく。

 スマートグリッドのイメージと定義について
はじめにスマ-トグリッドのイメ-ジなのですが、電力を供給するシステムは大きく分けて①電力を作る(電源)、②流す(流通設備)、③使用(需要)するという3つのセグメントで構成されています。この3つのセグメントに各々相互通信技術、制御技術、計測(センサー)技術を組み込んでネットワーク化していくイメ--ジを展開してもらえれば大まかですが把握できるのではと思います(資料1、2)。例をあげれば一般家庭の電気の検診は現在、検針員が電気メーター目視して計測しています。これが訪問しなくても離れたところから計測できるようになることをイメージすればわかりやすいでしょう。一方、現在でも高圧以上の産業用・業務用のお客さまには、光ファイバー通信などを使って自動検針を行っています。これをさらに応用して、相互通信技術を用いれば今度はお客さまの電力消費や需要の制御ということが可能になってきます。実際に当社は、大口の工場やビルのお客さまを対象に、エネルギー管理サービスなども提供したりしています。米国では、一般のご家庭にもこのような仕組みを入れて、家で使用している電気量が現在使い過ぎですといったお知らせや少し制御しますといったコントロ-ルができるようになる、ということまで考えているようです。スマートグリッドの定義なのですが国際的な標準化会議の場(IEC TC8)で現在、検討中です。まだ議論が始まったばかりで、電源・流通設備・需要に各々相互通信技術、制御技術、計測(センサー)技術を組み込む電力供給ネットワ-ク(需要および電源を含む)を構築し電力品質を向上させることを目的とするとあり、大変幅広いものになっています(資料3)

 スマートグリッド構想の背景
スマートグリッド構想の中でネットワークという言葉がよく出てきます。このネットワークという言葉からインターネットなどの情報網をイメ-ジするかもしれません。ここで注意していただきたいのはエネルギー(電力)の送電網(ネットワーク)と情報の送電網(ネットワーク)は同じではないということです。情報では網の目(メッシュ)のようにたくさんの経路があれば寸断されずにたくさんの情報が効率的にスピーディに流れて長所になりますが、エネルギー(電力)では網の目になっていることは長所ではありません。網の目(メッシュ)になるとエネルギー(電力)の監視・制御が非常に難しくなり、広域的な電力取引のために送電網に混雑が起きる等の問題が起こります。わかりやすくいうとエネルギー(電力)の経路をネッワーク化するとその経路にいろいろな電力(火力、水力、風力、太陽光・・・)が流れ込み電気の流れの調整が難しくなるわけです(経由していく方法は何通りもあり、分散型電力も流れ込む)。国と国とがエネルギーの送電網(ネットワーク)で結ばれると他国の電気が自国の送電線を通過するためにさらに監視・調整が混乱し、送電網の磨耗やハード面のメンテの問題が起こってきます。もともと米国でスマ-トグリッドの構想が出てきたのはこの送電の網の目(メッシュ)の問題が背景(電気の流れの監視・調整の混乱、停電)にあるわけです(資料4)。翻って我国の電気の流れはシンプルな構造になっており(資料.5)、例えば、北海道から東京に電気を流す場合、全量が東北に流れることはあらかじめわかっています。このため、欧米のような監視・制御のむずかしさの問題はあまり無いといっていいでしょう。

補足:発電所は一定の回転数でタ-ビンを回し、一定のパワーの電力を家庭や工場に届けているわけです。水に例えれば一定の水位を維持しながら発電しているわけで、大目に発電して(回転数をたくさん上げて)つまり水位を上げて余った分をどこかが電力不足だからそこに特別に電気を届けるような仕組みにはなってないわけです。又、発電所が一度スタートすると消したり、つけたりは簡単にはできません。電力はシステムとして安定した均一なものを継続して供給していることと、不安定で不均一なものを供給するには監視・制御とそれに伴う技術が必要になってくることを理解していただければと思います。

 スマ-トグリッド構想を支える技術 一例
我国の電力の送電網は欧米と比較して電気の流れがシンプルで監視・制御しやすく欧米に比較すると安定した電力供給ができていることはさきほどお話しました。また環境や省エネの推進という面からスマ-トグリッド技術(電力供給システムのネットワ-ク化技術)を考えた場合、さまざまな環境技術の開発はいうまでもありませんが、不安定な自然エネルギーをどう取り込んでいくかがポイントになると思います。有望な技術として電気自動車にも使用されている蓄電技術が上げられます。太陽光発電などの自然エネルギーを使う家庭が夜間の電気の使用量が少ない時間帯に電気自動車に蓄電しておき、不安定な太陽光発電をサポートして(蓄電した電気を用いて制御しながら家庭の電気を安定化する)安定な電力にすることができます。今の話は家庭での話ですが大容量蓄電技術を用いればひとつのエリア(地域)に応用することができるようになるでしょう。もちろん、コストや設置の課題はありますが、蓄電技術の向上は従来の安定したエネルギーに自然エネルギーをうまく取り込んでいく要の技術のひとつになると考えられます。

ヒアリングを終えて
国のエネルギーの根幹である電力について私達はあまりにも当たり前のように使用し、エネルギーに関して考えなさすぎるのではないだろうか?生活を支え続ける電力供給システムは今後どのように不安定な自然エネルギーを取り組んでいくのか興味津々である。
写真 上段左より技術部 系統技術グループ マネージャー 岡本浩氏、資料1、資料2、下段左より資料3、資料4、資料5 資料出典:東京電力 株式会社

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/09/16

学生にとって必要な知識 -環境マネジメントシステム(PDCA)-「柴野会長:富山大学の講義」

2009915私は、一昨年の夏、財団法人とやま環境財団が実施している「環境の出前講座」の講師として、国立大学法人富山大学で、講義を行いました。
このことが縁で、昨年から非常勤講師として、人間発達科学部、理学部、工学部の2年生を対象とした総合科目「環境」で、講義をさせてもらっています。昨年は、環境の講義ということで、7月の夏真っ盛りというのに、クーラーなしで実施したところ、暑くて講義を聞くどころではなかったと、非難ごうごうでした。今年は、これに懲りて、クーラーを入れた快適な教室で講義をすることにしたので、学生は、比較的冷静に話が聞けたようでした。40数年前の学生である私が、学生の聴講態度で、もっとも異質に感じたのは、飲み物を摂りながら講義を聞くという姿勢でした。このこと以外は、私の学生時代とあまり変わらず、社会の情勢に疎いということまで、共通しているように感じました。
昨年は、「環境マネジメントシステムと企業経営」をテーマにしたのですが、今年は、「なぜ環境マネジメントシステムが重要視されるのか」にしました。私は、講義の後で、アンケートを書いてもらっているのですが、今年は特徴のある回答が目立ちました。「環境マネジメントシステム」、「マネジメントシステム」について、もっと勉強したいというのです。昨年には無かったことです。このことについて、私なりに分析してみました。理由の一つとして考えられるのは、昨年と、今年の講義のテーマの違いです。私が講義の対象としているのが理科系の学生であり、
彼らにとって、「企業経営」は関係ないことで、環境という言葉につられて受講した可能性があります。一方、「なぜ環境マネジメントシステムが重要視されるのか」というテーマの中に、―社会が求めていること―を感じた学生が多かったのではないか。話の内容が、大筋で昨年と今年で、それほど違いが無いにもかかわらず、学生の反応がこれほど違うとは、驚きでした。
 学生時代の教育実習で、1回きりの授業ということもあり面白おかしくすると、生徒が楽しんでいたのを思い出し、今回の講義もそのようなものかなと思う一方、社会の実情を知らない学生に対し、社会に出てから経験しなさいというのでは、現代社会ではやっていけない。ニートやフリーターに流れる若者が多い原因にもなっているのではないか。学生の間に、社会人経験者が、社会とはどういうものかを教える必要があるのではないかと考えました。私は、「もっと勉強したい」と言う学生の要望をどのように受け止めてよいのか、総合科目「環境」担当の先生に相談したところ、「ぜひ機会を設けましょう」との返事をいただき、12月に実施する方向で、計画を進めています。学生にとって、就職が人生の重要なポイントであり、そのために知識を習得したいという要望に応えられた、総合科目「環境」担当の先生方に敬意を表したいと思います。
今年の講義のあらすじ
『なぜ環境マネジメントシステムが重要視されるのか』
■「環境マネジメントシステム」と言う言葉は、よく知られているが、では、どういうことかと改まって、聞かれると、なかなかうまく応えられないものであること。
■マネジメント、マネジメントシステムについて概略、及び環境マネジメントシステムについて、代表的なISO14001とエコアクション21の特徴。
■従来は、日本型のマネジメントシステムに組み込まれていたものが、平成10年代前半に、経営のツールの一部として注目を浴び始め、平成10年代後半になると、P(計画)D(実施・運用)C(点検・是正)A(見直し)のサイクルを実感する最適のマネジメントシステムといわれるようになった「環境マネジメントシステムの位置付けの変遷」。
■環境マネジメントシステムへの取組が重要視される理由として、① PDCAのサイクルを基本としたシステムであること。② 資源・廃棄物等の削減によって経済効果が目に見えること。③ 環境への配慮・行政等の支援があり、今の社会情勢にマッチしたシステムであること。
■行政が、機関委任事務中心の通達行政から、分権体制化の自治事務執行へと移行する中で、説明責任が求められるようになり、これに対応するツールとして、PDCAシステムが認識されていること。
■企業における環境経営が変化し続け、環境によって企業が淘汰される時代になったこと。
■CSR(「企業の社会的責任」)への取組み次第で、その企業の将来が決まると言われ始めているが、環境マネジメントシステムの手法が、そのままCSRに使えるということ。
■経営のことは、技術職の学生が学ぶ必要が無いと思われがちだが、PDCAの考え方は、何事にも活用できるものであり、社会人にとって必須の知識である。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/07/16

省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞に輝く節水装置「エコタッチ」

Img_0416Img_0410Img_0411Img_0413Img_04172009762今回は平成20年度 省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞を受賞した節水装置「エコタッチ」を開発したエコライン株式会社を訪問し、ユニークでシンプルな節水装置が切り開く省エネ・温暖化防止の効果と事業展開についてお聞きした。対応していただいたのはエコライン株式会社 環境事業部 チーフアドバイザー 岸良保氏とNPO法人 地球環境市民協議会 副代表理事 廣川謙氏である。

-節水と省エネ・温暖化防止の関係について
節水することが省エネ・温暖化防止にどう関連するのかという説明の前に、日本人の水に対する感覚について触れておかなければなりません。「バーチャルウォーター」という言葉をお聞きしたことがあると思いますが(ロンドン大学 トニーアラン教授の概念)、日本に輸入されている農作物には海外の水資源が相当量使用されています。これは大豆でもトウモロコシでも牛肉でも、育て、成長する過程でたくさんの水が使用され、それを我々は食べているわけですから、その成長する過程の水の量をカウントすると我国は水消費大国になるわけです。(大豆やトウモロコシの穀物の重さの2500倍から3000倍の水資源が使用されているといわれています。)そう考えると水のありがたさ再確認と同時に水を大事にしようという発想が生まれてくるのは自然ですし、世界的にみても水資源の確保や再利用や節水といった問題は今後ますます重要になってくると思います。
次に節水と省エネ・温暖化防止の関係について話をすると水道水は浄水場で上水処理されて、加圧されて送水します。排水後は下水処理場で浄化処理が行われるわけです。この過程で電力エネルギーが消費され、CO2がの生み出されるわけです。電力エネルギーを少なくする。水の量を減らすことは電気をこまめに消す節電と同じと考えればわかりやすいでしょう。ちなみに水の1㎥あたりCO2は360グラム削減できます。また経済的には水道料金は一般家庭では水量(1㎥あたり)に全国平均で約500円(各地ばらつきあり)を×(かけると)料金計算ができます。節水すると水道料金がすぐに減るので経済効果は一目瞭然です。節水が省エネになり温暖化防止になることはこれでおわかりになったと思います。

-節水装置「エコタッチ」の特長
節水の必要性が理解できても私達の日常生活でそれを実践することは容易ではありません。歯を磨くとき、トイレ、食器洗い等、日常生活を振り返ってみてわかるように水の無駄使いが行われています。開発した節水装置「エコタッチ」は従来の使用感覚(水の勢い)は損なわれず水量を減らすことができるところに特長があります。ホ-スの先を絞ると勢いよく水が出る原理と同じで、蛇口に装着して水を通す穴を調整するわけです。環境の分野では意識はあっても日ごろの習慣でなかなか実際の行動が伴わないことを目にしますが本製品「エコタッチ」は蛇口に取り付けるだけなので普段着の省エネ・温暖化防止活動ができるといっていいでしょう。
*「エコタッチ」は水を貯める時間は使用量が減っているので時間はかかります(写真1.2.3参照)。時間短縮をしたい方は節水モ-ドと通常モ-ドにワンタッチで切り替え可能な製品をお勧めします。
「エコタッチ」は病院での省エネ・温暖化防止にも活躍しています。水量の減と細菌の関係は水量が40%になっても細菌は洗い流すことが十分可能です。(日本細菌研究所の調査)

- 今後の展開
「エコタッチ」は現在、全国で納入実績が8万箇所あり(写真6参照)、前述した計算式で計算すると8万箇所×12ヶ月(1年計算)×2TON(水使用量/月)×500円(. 1㎥あたり平均水道料金)=9億6000万円の経費削減をし、CO2の削減では8万箇所×12ヶ月(1年計算)×2TON(水使用量/月)×360グラム=691.2トンの削減をしたことになります。「エコタッチ」の普及は省エネ・温暖化防止を促進することはいうまでもなく、社会インフラである水道事業のCO2削減を核に新たな環境ビジネスを造りだしています。(弊社とNPO法人地球環境市民協議会と共同の環境事業への展開)(写真5) 

-ヒアリングを終えて
環境と水について考えるとき、水の浄化技術やリサイクルの仕組み等について考えることがあるが、従来の水道の使用方法と使用感覚で水量を減らすという発想は簡単なようでなかなかでてこない。水道も重要な社会インフラで、そこでの省エネ・温暖化防止活動の推進と普及は非常に大きな効果と影響があるだろう。また、エコライン株式会社とNPO法人地球環境市民協議会とが推進している新ビジネスの展開も楽しみである。

上段左より「エコライン株式会社 環境事業部 チーフアドバイザー 岸良保氏とNPO法人 地球環境市民協議会 副代表理事 廣川謙氏」、写真1「通常の水量と水の勢い」
写真2「通常の水道での桶が満杯になるタイム 約13秒」
中段左より写真3.「エコタッチを装着したとき 水の勢いと感覚は変わらない 満杯のタイム 29秒」、写真4「グッドデザイン賞 エコタッチ節水シャワーヘッド」、写真5「NPO法人地球環境市民協議会とが推進しているビジネスモデル(カーボン.オフセットスキーム)」、下段写真6「エコタッチの納入実績」出典:写真5,6「エコライン株式会社 資料(ト-タル節水装置) NPO法人地球環境市民協議会 資料(水と森のプロジェクト)」より

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/07/01

JETPA環境インフォ-メ-ション「エコポイント」

2_21_2家電製品を購入時エコポイントがついてくるという話で持ちきりである。その仕組みについてはグリ-ン家電(「エアコン」、「冷蔵庫」、「地上デジタル放送対応テレビ」の家電製品のこと)を電気屋さんで購入するとポイントをもらえて、そのポイントに応じて指定された商品とサ-ビスに交換できるというものである。現金ではなく商品・サ-ビスとの交換で、実際には交換商品のカタログを見て購入した家電製品のポイント数に応じた商品・サ-ビスに申し込めばよい。商品カタログの内容を見ると商品券(お米券・たまご券・肉・寿司券・ビ-ル券・・)、公共交通機関(suica,PASMO,icoka,・・・)、地域型商品、地域産品と盛りだくさんである。地上デジタル放送対応テレビを例にすると46V型以上のTVを購入の場合でポイントが36000点 になり、36000点で交換できるサ-ビス・商品をサンプルでチェックしてみると 全国共通すし券(10500点)、おこめギフト券(5000点)、アイスクリ-ム券(6600点)、Suica(13500点:12000円分)プラスαといった具合に結構お得感がある。(これはあくまでサンプル)夏場に向けて「エアコン」、「冷蔵庫」、「地上デジタル放送対応テレビ」を購入する際は是非、あらかじめグリーン家電エコポイント事務局の商品券・プリペイカ-ドのカタログをじっくり見て購入することをお薦めする。
マ-クのついたものを購入した後の事務手続きはエコポイントに必要な1.申請書(インターネット申請含む)、2.保証書(コピー)、3.領収書・レシ-ト(現本)、4.家電リサイクル券の排出者控え(コピー)の書類を「〒119-5085 郵便事業株式会社 新東京支店留 グリーン家電エコポイント申請係」に郵送する。留意点は自分で郵送することで、量販店はあくまでサポ-トするだけである。エコポイントの動きが今後環境技術の普及・促進、省エネと温暖化防止の推進と多分野に拡大していくことを期待したい。
左より エコポイントのマ-ク、必要書類 グリーン家電エコポイント事務局HPより

flair*エコポイントの事務局は環境省・経済産業省・総務省の共管の事務局で確認・問い合わせ等はグリーン家電エコポイント事務局ホ-ムペ-ジへ eco-points.jp


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/06/16

進化する空調技術2(進化・普及する空調技術)

Img_0393Photo_2
Photo_3Photo ㈱空調服の市ヶ谷弘司 社長が開発した空調技術は人の体と衣服の間に空気を流し、汗の気化を促進し、人体の極近傍のみを快適な状態にするもので、従来型エアコンに対しエネルギー使用量を桁違いに下げることができ、温暖化防止技術として内外から注目されていることは言を俟たない。今回は、ますますニ-ズが求められているその空調技術の応用や販路についてお話をお聞きした。(対応していただいたのは市ヶ谷弘司社長、市ヶ谷透部長である)

- 空調技術を応用した敷きマット その販売体制
空調技術は衣服という分野からスタートして自動車用のざぶとんの開発や家庭のベッドに敷くマット、まくらの開発や医療、介護、セキュリティー、幼児用製品、精密機械等、様々な分野からのご相談があり、現在、研究段階のものがいくつかあります。(写真3参照)今年、販売体制が準備されたものとしてベットに敷く空調マット(やわらかく弾力性のある「スペーサー」に空気を流し夏場の睡眠の快適さを保つマット)があります。伊藤忠商事様と提携して商品名「エアコンマットそよ」(写真1参照)で販売が始まりました。(寝具製造会社のアテックス社が製造し東急ハンズ(東京渋谷)や高島屋の通販等で販売が今年5月から開始)。また西川産業様からは「空調敷きふとんAEROSLEEP」(写真2参照)として6月から販売が開始されています。空調服のほうは従来どおり楽天や東急ハンズ、(株)サンエス、その他、当社の代理店として(株)メドウニクス(大手企業向け)、栄光マシーンセンター(株)(鉄筋屋さん向け)、(株)ブレイン、(株)西井電機(共にインターネット通販)、日本直販などのカタログ通販等でお買い求めいただけます。夏場に向けて購入を希望する場合、直接㈱空調服に連絡していただいても結構です。 (電話048-447-3346 URL:www.9229.co.jp )

- 進化する空調技術
生理ク-ラ-理論は人体に備わった体温調整機能・体温が上昇すると発汗し、それを蒸発する気化熱で体温を下げる働きを意味しています。空調技術は身体に沿って空気の流れを作りだしその機能促進し湿気や熱から解放するわけでパ-ソナルでモバイルなエアコンを私達は手に入れたといっていいでしょう。この技術の応用分野は身体に接する物や衣服に関する空間や空調がすべて研究対象になるわけで裾野が広く、今後も内外の各界のメンバーとの打合せや共同研究等を行い、実用化する製品を増やしたいと考えています。

-ヒアリングを終えて
㈱空調服では訪問のたびに新しい研究開発がおこなわれ、本空調技術がますます進化していくことを確信した次第である。現在、研究中の製品が実用化され、省エネで環境にやさしいユニ-クな製品が出てくるのが楽しみである。写真左より(市ヶ谷透部長、市ヶ谷弘司社長)、(写真1:エアコンマットそよ )(写真2:空調敷きふとんAEROSLEEP)、下段左(写真3:空調技術の応用 パテントソリューションマップ)出典:㈱空調服資料より  

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009/06/01

JETPA 今月のキ-ワ-ド「宇宙太陽光発電」

21化石燃料が枯渇する危機感とクリーンエネルギーへの期待から宇宙太陽光発電が話題になっている。宇宙太陽光発電は宇宙に太陽光を集める大きな静止衛星(太陽電池パネルを翼のように広げ、反射鏡が取り付けられているイメ-ジ)を打ち上げそこからマイクロ波やレーザー光を使ってエネルギーを地球に送りこむという壮大なもので、いわば発電所を宇宙に造り地球へ送電する装置と考えればわかりやすいだろう。エネルギーを受け取る地球では受電素子で電気や水素に変換してエネルギーとして使用することができる。この技術が確立すると月面に発電所を造り地球に送電することも可能になる。又、送電技術の発達はエネルギーを無線のように飛ばし特定のモノに供給することも可能になるわけだ。
宇宙太陽光発電は天候に左右されない事、安定した太陽光発電ができる事、資源の枯渇やCO2の問題が発生しない事、エネルギー送電技術の開発が促進される事等が長所としてあげられる。課題はコストが高い事(打上費用+建築費用+部品費用等)、送電技術(位相制御技術:地球上の特定したところに正確に送電する技術)や大気中を通過するマイクロ波とレーザー技術の安全についてさらなる研究・検討・調査が必要である事が指摘されている。日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)や経済産業省で研究が進められている。(構想は1968年米国で提唱された。)
 地球上のエネルギー不足の問題を解消するため衛星打上費用等は地球規模(国連など)で負担しエネルギー不足の国に送電することができれば持てる国持たざる国の不公平がなくなるのではないかとふと考えさせられた。宇宙太陽光発電はコスモポリタンの発想を呼び寄せる何とも夢のある壮大な構想ではないだろうか。
写真:イメ-ジイラスト

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧