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2016/12/01

新しい地熱発電の実証に成功 

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    ジャパン・ニュー・エナジー株式会社と京都大学が共同開発した新しい地熱発電(JNEC方式)が話題になっている。この地熱発電の技術は2014年NEDO新エネルギーベンチャー技術革新事業に採択され(加圧水型ゼロエミッション地熱発電システムの実用化システム)、今年9月大分県九重町にて実証実験に成功したもので、地熱発電の普及促進技術として期待されている。今回はジャパン・ニュー・エナジー株式会社に訪問し管理部契約室 山本紘士氏と事業企画部広報室 熊川みほ氏にお話を伺った。

地熱発電の現状
日本は火山大国で、地熱資源が豊富であることはいうまでもありません(米国。インドネシアに次ぎ世界3位の地熱保有国)。しかし、電力源としての地熱発電が話題になることはあまりありませんでした(2000年以降新しい地熱発電所の建設はありません)。その理由は1)コストが高い、2)ほとんどの熱源が国立公園内にあり開発できない、3)温泉事業者との共生の難しさ等があげられています。
国は2)の国立公園内の開発禁止に関しては特区を作り開発を認め、又特区以外でも開発できるよう規制緩和がされつつあります。
3)に関して地熱発電は蒸気と温泉水をくみ上げるため温泉への影響(温泉が枯れるとの危惧)が指摘されています。

新しい地熱発電(JNEC)の特長
地熱発電は安定した電源で、発電時のCO2排出量がなく、日本にある純国産の有望なエネルギーといえるでしょう。弊社と京都大学がNEDOに提案した「加圧水型ゼロエミッション地熱発電システムの実用化システム」は先に述べた地熱発電促進を妨げる3つの要因を克服できる新しい地熱発電方式になります。
地熱発電は大きくフラッシュ方式、バイナリ-方式とありますが、いずれの技術も蒸気・温泉水を地下1000m~3000mまで井戸を掘り(生産井)、鋼管で汲みあげ、汲み上げた高温の蒸気・温泉水を直接利用、媒体利用してタービンを回し発電するわけです。
今回実証した新しい地熱発電(JNEC方式)は地下から蒸気・温泉水を汲み上げるのではなく地上から地下1450mに埋設した二重管型熱交換器に加圧水を注入し循環させる方式で、地上に上がってくる熱水から蒸気を発生させて発電し、使用した蒸気や温泉水は冷却水で冷やし又循環させる仕組が特長です。

新しい地熱発電(JNEC方式)の有望性
繰り返すようですが従来の地熱発電ですと地下から蒸気・温泉水を汲み上げるため温泉事業者への影響の危惧が残ります。新しい地熱発電(JNEC方式)であれば″温泉を掘削する必要がありません。″地熱がある所であればどこでもこの発電システムが活用でき、温泉事業者と共存が可能といっていいでしょう。又、発電に使用した蒸気・温泉水を地下に戻す還元井も必要ありません。さらに地下の蒸気・温泉水を使用しないため設備などに付着するスケ-ル除去の手間や費用はかからないわけです。
先に述べました地熱発電の普及促進を阻んでいる要因を新しい地熱発電(JNEC方式)はクリアーしているといって良いでしょう。まだ検討余地はありますがコスト面、立地面、環境面から有望性が高いと思います。

今後の展開
実証実験は成功しましたが、さらなる性能向上のための技術開発の促進と大規模化を図る計画を進めています。また地熱発電を普及拡大のロ-ドマップ案を作成しています。今後、全国展開をはじめ、海底電線敷設の必要がない、島しょ部への普及、また純国産の技術として海外への輸出も視野に検討を進めており、国や自治体にも指導と協力をお願いしていきます。

ヒアリングを終えて
純国産エネルギーの地熱発電の普及促進の必要性が言われて久しい。エネルギーは国の政策の根幹である。我国の持つ地熱エネルギーの潜在能力と長期のエネルギー政策のあり方、新技術の開発とその応用技術の推進等、大変示唆に富む話だった。今後の本地熱発電のプロジェクトの展開にエールを送りたい。

写真左:管理部契約室 山本紘士氏、事業企画部広報室 熊川みほ氏
写真中:JNEC方式新地熱発電システム 水分発電所(大分県玖珠郡九重町)
写真右:「ジャパンニュ-エナジー株式会社の地熱発電のシステム」出典:ジャパンニュ-エナジー株式会社会社案内

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