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2011年9月の記事

2011/09/16

「電力不足と企業努力」  柴野会長より

Photo地球温暖化の問題は1950年代から議論されているが、1992年ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」で、「気候変動枠組み条約」が採択され、155にも及ぶ国が署名したことから、急速に現実味を帯びてきた。その後、1995年京都で開催された第3回締約国会議において、削減目標等を定めた京都議定書が採択され、2002年に京都議定書を批准した日本も、二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けて官民あげて努力を重ねてきた。二酸化炭素(CO2)排出量削減とはどういうことなのか、一般的に、二酸化炭素(CO2)排出量削減とは、エネルギー使用の効率化・削減のことを指す。私たち環境分野の人間は、地球温暖化問題解決の手段として二酸化炭素(CO2)排出量削減を企業等に要請する。そして、企業側は、建前として地球温暖化対策としての二酸化炭素(CO2)排出量削減を実施する。しかし、本音は、エネルギー使用量の削減で経費の削減を図り、健全経営が目的だという企業が多いのではないか。
私が企業を訪問して、環境問題としての二酸化炭素(CO2)排出量削減を持ち出すと、省エネは十分に実施しており、これ以上の削減は難しいと言われる経営者が多く、このような状況にまで努力してきた企業にとって、今回の原子力発電における事故の結果としての節電要求は、経営者の頭を悩ましている。製造業では、休日を変更して、土日に仕事をする会社、減力使用量の少ない夜間に就業時間をシフトする会社、海外移転を進める会社等、会社の生き残りを賭けて必死に対応している。一方、人を対象とするサービス業などは、上記のような対応が取れない。店舗の明かりをすこし暗くする、エレベーター・エスカレーターの一部を止めるなど、お客さんの協力がないと実現できないような対策をとっている。

私の知っているホテルの経営者の意見(気持ち)を紹介しておく。
 『私たちのホテルを利用してくださる皆さんは、何を求めて来てくださるのか。一年に何回もあるものではない心身のリフレッシュの旅。心を癒して次への活力にしようと来てくださるお客さんが多い。そのような目的でこられるお客さんに満足してもらうのが私たちの勤めである。お客さんの見えないところで節電の努力をして、それでも目的が達成できないときは、心ならずもお客さんに協力をお願いする。このような状況から一刻も早く脱却して、心身ともにリフレッシュして満足していただいたお客さんを送り出したいものである。』このように、全国の企業がぎりぎりの努力をしているという実態を東京電力の幹部は知っているのだろうか。非常事態マニュアルの提出状況を見ると、国民に迷惑をかけたとの反省がどこにも見当たらない。
写真:イメ-ジイラストより

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2011/09/01

インドネシア・ジャカルタの小事業所の            環境事情   古明地理事より

1.2011年1月、5年ぶりにジャカルタを訪れる機会があった。短期間であったがジャカルタ、その近郊の2ヶ所の事業所を見学できた。主に排水の問題を中心にその現状を報告する。
2.排水の現状
(1)豆腐製造所
 訪問したジャカルタの豆腐製造所は家族中心の豆腐製造所であり、1ヶ所に同業者が複数立地する形のものであった。付近の水路は白濁した汚染水であり、悪臭を発生させていた。写真1にその状況を示す。
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写真1 豆腐製造所付近の水路とごみ集積所
製造過程で発生する有機質の廃棄物は約20㎥の地下タンクに集積し、メタン発酵し、発生ガスを燃料として使用していた。
地下タンクの概要を写真2に示す


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写真2 メタン発酵のための地下タンク、及びガスの導管

簡単な構造物であるが写真3に示すように家庭燃料としての使用には十分であった。


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写真3 メタン発酵により発生した家庭用ガス燃料
このように有機性の廃棄物を汚泥として焼却するのではなく、高BODの有機排水と共にメタン発酵によるガス燃料として使用する方法はガスタンク等安全に貯留できる方法を確立すればさらに利便性を増すことが出来る。製品を写真4に示す。


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写真4 製造された豆腐


(2) 染色工房
 次に訪問したのはインドネシアの伝統的な植物染料を使用し、スカーフ、テーブルクロス、バティック等の製品を製作する10名程度の規模の小規模の工房であり、高級な製品のメーカーであった。ここでは蜜蝋で細密図案を描画し、染色をする工程が幾つかあった。使用後の廃棄物は大部分が植物性の有機物であるので固形物はコンポスト、廃液は敷地内で地下浸透し、処理していた。
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写真左:染色材料(樹皮)、写真右:ロウケツ染め

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8写真左:染色操作
写真左:廃液の地下浸透

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写真5 固形廃棄物のコンポスト


3.まとめ 
小規模事業所の排水は周囲の環境に大きな負荷を与えているとは考えられないが処理の方法は2事業所とも非常に初歩的な方法であることから、さらに環境への負荷の少ない、かつ低コストの処理方法を採用していくことが求められる。豆腐工場の場合、付近の排水の汚濁に少なからず関係している可能性がある。これらの個人営業に近い事業所であっても、業種ごとの製造から廃棄までの製造記録とか、作業標準とか、また環境負荷の少ない工程等を推進していくことが必要であり、当機構の今後の活動にも関係してくる分野でもある。

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