自然エネルギーを活用したビオトープ 「ユーシン建設株式会社」


3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災では、大規模な電力不足が生じ、計画停電にまで至ったことから、太陽光発電の必要性が改めて叫ばれ始めました。一方、昨年名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されたように、生物多様性を守り、遺伝資源の持続的利用が可能にすることが求められています。そこで、今回は太陽光発電を利用したビオトープを開発し、幼児期からの環境教育に取り組んでいる建設会社を訪問しました。(ユーシン建設株式会社 所在地:富山県砺波市三郎丸56番地 代表取締役:小泉澄夫 電話:0763-33-6772)
富山県砺波市にある「ユーシン建設株式会社」は、道路舗装を主体とした事業を行っている普通の建設会社である。しかし、社長の小泉澄夫氏は、環境問題への関心が高じて環境事業を始めたほどの人物で、本業の道路舗装からの廃棄物を100%再生利用するのは富山県のエコ事業所の認定を受けている会社として当たり前で、風力発電やビオトープを開発・事業化し、また、出前講座への出張講義など、あらゆる機会をとらえて環境啓発を行っている。多くの事業展開メニューのうち、今回は、ソーラービオトープに限って社長から話を聞かせてもらった。考案の発想は、環境教育は幼児期から始めるという欧米の実態を知り、生態系の保全を通じて環境教育が出来ないかと考えたのが始まりである。小さな子供を対象とする場合、安全面に配慮する必要があります。そして何よりも大事なのは、自分達が作って育てているという経験をさせることです。そこで、起伏のある地形を発泡スチロールで作り、そこに土を盛り、子供達と一緒に草や木を植え、ソーラー発電した電気で水の循環を実現する。さらに、片面を透明板にして水中の生き物が観察できるように工夫した。このようなソーラービオトープは、実用新案登録を済ませ、保育所等に設置して好評を得ているという。わずか1.8m×1.8mの小さな空間であるが、立派にビオトープを形成しているのは驚きである。
ちなみに登録実用新案広報の一部を掲載しておく。
【要約】
【課題】軽量で設置が容易であり長期に安定し、総合的な生態系の観察が可能なビオトープの提供を目的とする。
【解決手段】槽と当該槽の内側に設置した発泡樹脂体をベースに生物の生息環境を形成するビオトープであって、前記発泡樹脂体の上面に土壌部と川を設けることで生物の生育空間を形成し、前記発泡樹脂体を部分的に切り欠き、槽の壁との間に池や沼を設けることで前記川と組み合わせた水系を形成し、前記水系の水循環を行うための、ソーラーパネルを用いた太陽光発電駆動によるポンプを備えたことを特徴とする。
《 訪問後記 》
このソーラービオトープは、学校の校庭や公園に設置し、教育に活用することを目的に作られたものであるが、軽量であるという利点を生かし、1.8m×1.8mのブロックをいくつか組み合わせることで、屋上緑化とあわせて活用することが視野に入るのではないかと感じました。バイタリティーあふれる社長でした。今後も環境教育のためのアイデアを提供していただけることを期待します。
写真左より「ビオト-プ全景」「発電表示板」「園児の植栽の様子」
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