環境バカの旅日記 (イタリア編) 柴野会長より



歴史の国、食べ物のおいしい国として、観光立国であるイタリアへ私は、5月の連休終盤から旅をすることになりました。
5月5日ANA NH-0209便で成田国際空港を飛び立って、フランクフルト経由で、ミラノへ向かいました。
今回の旅の目的は、イタリアを満喫することは、もちろんですが、それ以外に、爆発を繰り返していたアイスランドの火山の噴煙が、航空機から見えないかという、密かな望みがありました。ソ連上空を過ぎて、窓から外を見ることが出来るようになると、必死になってそれらしきものを探しました。天候が良かったにもかかわらず、見つけることが出来ませんでした。イタリアに滞在中も、噴煙が流れてくるということで、ヨーロッパの各空港は、閉鎖・開港を繰り返していて、われわれツアーのメンバーの帰国が危ぶまれるときもありました。旅を終えて帰国の途につくとき、「空港で足止めされて、帰国が遅れるケースに備え、着替えなどはスーツケースに入れないで、手回り品として持っておくように。」とのアドバイスを受けたほどでした。幸い、予定通りの帰国便に乗ることが出来たので、このような状況の下、噴煙が見えないかと期待していたのですが、残念ながらその望みはかなえられませんでした。とは言いながら、今回のイタリア旅行は、初めての「夏時間」体験に戸惑いながらも、雨が続くだろうとの予想を見事に裏切って、好天が続いたことと、阪急交通社の添乗員の名ガイドとがあいまって、非常に楽しい旅を続けることが出来ました。国全体が博物館のようなイタリアでしたが、今回は、環境バカの目で見たイタリアを紹介したいと思います。
緑の多いのに驚きました。
今回のツアーは、イタリア国内の移動は全てバスという規格であったので、航空機や列車での移動とは違った楽しみがありました。町の中を自由自在に走り回ることが可能で、下町の様子とか、生活空間を肌で感じることが出来ました。日本は、山国で、みどりが豊富といわれていますが、都市部では、限られた場所にしか纏まりのある緑が見られません。しかし、イタリアは少しのスペースにもみどりが配置されていて、しかも、重厚な感じの樹木が多くを占めています。杜の都仙台からツアーに参加されていた方も、「仙台は、緑が多いと自負していたが、仙台とは比べ物にならないほど緑が豊富だ。」と驚いておられました。日本の街路樹は成長の早い木が主体で、毎年剪定を繰り返すのに対し、イタリアはじめヨーロッパ各国のそれは、成長の遅い木が主体のため、剪定の必要がなく、重厚な感じになるのだと痛感した。
歴史を感じました。
石造りの建造物のため、耐久年数が長く、築後700年経った文化財のアパートに、今も市民が住んでいる光景を見て、改めて、歴史の重みを感じた。重要な建造物を、そっと置いておくのではなく、活用しながら残していくとともに、歴史の実態を市民にも感じられるように、昔の部分を「見える化」している。商店のショーウインドウの一部に、昔の建築基礎をそのまま残して、誰にでも見ることが出来るようにしたり、発掘調査した一部を、埋め戻さないでそのまま残し、それを観光の目玉にするなど、観光資源、文化財と市民の共存が、非常にうまくかみ合っていると感じた。観光ブームもあるのだろうが、歴史遺産の修復作業がいたるところで行われ、また、都市改造に当たっても、歴史遺産を活用し、遺しているところは、歴史を大切な財産と見ていることを示しているようである。
海面上昇のすごさを感じました。(温暖化の予感)
私たちは、ベネチアで異様なものを見ました。一つは、広場にしかれた石畳のところどころに穴の開いた石がありました。この辺りは、大潮になると海水が満ちてきて水没するのだそうです。もちろん、大潮が過ぎると、海水が引き、石畳の広場が復活するのだけれど、早く海水が引くように、穴をあけてそこから海水を出すのだそうです。
また、同様に大潮になると水没するという道路には、高さが50~60センチ、長さ2メートルほどの長いすのようなものがたくさん置いてあり、道路が水没するとそれを並べて、道路代わりに、その上を通行するということでした。
ベネチアと言えば、ゴンドラでめぐる運河観光です。運河に囲まれた土地は、埋め立てられたもので、海面が上昇すると水没する可能性が高いということで、地球温暖化によるものか海面の上昇があり、かさ上げしているところもあるということです。広場や、道路が水没する頻度が次第に高くなってきており、今のままでは、生活に支障をきたすことも考慮しないといけないとの話しも聞きました。太平洋のさんご礁で出来た島などが、地球温暖化の影響を受け、移住しなければならなくなってきているという話は、よく耳にしますが、イタリアでも現実味を帯びていることに驚かされました。
観光客の多さに驚きました。
私たちが観光客であり、観光地をめぐっているから当然であるが、行った先々での観光客の多さには驚かされました。百メートル以上の列について、1~2時間待たないと入れないところもあります。サンマルコ広場など、広い広場が埋め尽くされている有様です。これら観光客を狙うスリがたくさんいます。日本人は狙われやすいのでしょうか、持ち物の管理が大変で、せっかくの楽しい観光がかき消されてしまう恐れがあります。
環境対策が進んでいます。
イタリアは、EU加盟国であり、基本的には環境問題への対応は進んでいるだろうが、私の知る範囲では、陽気な国民性であり、環境問題にも鷹揚な感じではないかと思っていた。ローマの市街を走る市電や、トロリーバスを見ても、レトロな感じはするものの、環境対策との関連に気が付かなかったくらいである。時間が係るといわれていたカプリ島の青の洞窟観光が、添乗員と地元ガイドの計らいで、思ったより早く済み、予定外のカプリ島での自由時間が得られた。細い曲がりくねった道を登っていくと、展望のすばらしい頂上に着いた。世界の富豪の別荘などが見渡せる眺望が売りのようだが、私は、この山の上で、清掃や、工事をする車が、電気自動車なのに驚かされた。日常生活を支える部分で電気自動車を使用する一方、観光等で訪れる車は無条件で通行させているところなどは、観光立国で、陽気な国の政策と環境対策とのマッチングを見たような気がした。
写真左より上段:「工業用電気自動車」、「水没時に使用する橋」、「緑が豊かで電車道も芝生が植えられてあります」、下段:「遺跡の発掘現場をそのまま保存している」
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