JETPA 今月のキ-ワ-ド「排出権取引」

鳩山首相の国連での温暖化防止気候変動首脳会合で演説した温室効果ガス削減目標「1990年比で2020年までに25%削減することを目指す」との表明は環境技術のさらなる促進を加速させるのは言うまでもない。又、地球温暖化防止は1国の目標だけではなく地球規模の制度(仕組み)が必要になり、その中でも排出権取引はビジネスとは本来距離のある「環境」を「ビジネス」に変え、良い悪いは別にして環境(温暖化防止)をグロ-バル化させる制度であるといえる。「排出権取引の仕組みの構築=温暖化防止を促進させる新ビジネスルールの構築」と考えるとわかりやすいだろう。方法論として1)「キャップ&トレード」と2)「ベ-スライン&クレジット」の2つがある。
1)「キャップ&トレード」はCO2を排出する企業に排出枠を設定して(排出できる総量を設定)、この目標値を厳守しなさいということである。目標値をクリアした場合はそのクリアした分の排出量はクリアしていない企業等に売れる。逆にクリアできなかった場合は他から排出量を購入して目標値を達成する。
2)「ベ-スライン&クレジット」は企業等がCO2削減プロジェクトを推進し実施したケ-スでそのプロジェクト推進前と比較して削減できたCO2の削減量がそのまま排出権としてカウントされ、販売することができる。簡単にいうと以上になるが、課題として1)「キャップ&トレード」においては排出枠をどう公平に割り当てるかが課題で手法についてはいろいろな意見が出ている。(オ-クション、グランドファ-ザ-リング、ベンチマ-ク等)
2)「ベ-スライン&クレジット」についてはプロジェクト実施前の排出量の見通しと実施後の削減量の計測に時間やコストがかかることが課題である。
環境と経済をセットにした排出権取引は様々な課題を抱えながら制度化に向けて動きはじめている。CO2の排出量で市場が形成され、お金を中心に制度がまわってしまい、「温暖化防止の努力より商売に力点が置かれてしまう危惧がある」という意見と「お金が絡むからグロ-バル化し温暖化防止が促進する」という意見等、様々な意見 がある。また国際市場の形成に関しては発展途上国と先進国の排出削減の国別割当てと削減義務が大きな課題になっている。温暖化防止を促進するための排出権取引の動向とその仕組みについて今後内外ともに目を離せない。
写真:イメ-ジイラスト
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