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2009/11/16

「スマートグリット構想」 その2 

212223242526 272829210211212スマートグリッド」についてその1では定義や構想の背景、その支える技術についてお聞きした。今回は1)配電自動化、2)スマートグリッドとマイクログリッド、3)今後の日本のエネルギーについてお話を伺った。対応していただいたのは前回と同じく 技術部 系統技術グループ マネージャー 岡本浩氏である。

1.配電自動化について
前回、我国電力送電網は欧米と比較して電気の流れがシンプルで監視・制御しやすく欧米に比較すると安定した電力供給ができていると話しましたが、今回はその話に付け加えて、お客さまに電気を届けている配電ネットワークの自動化システムについて話をしておきます。配電自動化システムとはネットワークのどこかに事故があり、電気の流れが寸断されてしまっても自動的に不具合の生じた場所を検知して停電を早期に復旧させるシステムといえばわかりやすいでしょう。停電の経験がある方もいらっしゃると思いますが、このシステムにより昔よりも復旧は早まっていると思います。事故があると、配電用変電所の根元のブレーカーが落ちて送電が止まり1度停電になりますが、自動的な再送電などの操作によって事故の場所を特定し、その周辺の開閉器を遠隔操作して停電範囲の被害を狭め(連系用自動開閉器も使用して他の配電網からの電力の引込等)、事故現場の早期の復旧が可能になっているわけです。このために、コントロールセンターでネットワークの監視・遠隔操作ができるようにしています。(資料1、2、3)このシステムは欧米に比較して普及しており、現在ではこの送配電網ネットワークをさらに高度化して多くの情報を活用しようと検討を進めています。エネルギーの送配電網と情報網を一体的に活用していくわけです。送配電網ネットワークの有効活用と考えればイメ-ジはしやすいと思います(資料4、5)

2.スマ-トグリッド構想とマイクログリッド構想
スマ-トグリッド構想の前に我国(経済産業省)ではマイクログリッド構想を推進していました。マイクログリッド構想とは簡単にいうと「エネルギーの地産池消」という表現がぴったりくると思います。ある島を想像してみてください。その島のエネルギーをその島の発電設備のみで賄い特定エリア内で自給自足のエネルギーを調達するわけです(資料6)。NEDO(新エネルギー技術開発推進機構)では、各地でマイクログリッドの実証試験を行ってきました。イメ-ジ図にあるように不安定な分散型エネルギーを、電力貯蔵設備などと組み合わせて上手く調整するわけで、ここではエネルギーの情報管理技術(IT制御システム)が当然必要になり、スマートグリッドのコアであるエネルギーの情報管理技術(IT制御システム)と重なり、ある意味スマートグリッド構想よりもマイクログリッド構想のほうが実験段階ですがより先行しているといっていいかもしれません。スマートグリッドとの相違点はマイクログリッドは系統電源(安定供給する一般の原子力・水力・火力等の大型電源)にできるだけ頼らない仕組みを考えている点です。系統電源に頼らない分設備コストは現段階ではどうしても高くついています。また、出力が不安定に変動してしまう分散電源も、実は電力会社のエリア全体で見れば、その変動がある程度は均(なら)されて来ることがわかっており、マイクログリッドという狭いエリアで考えるのではなく、系統電源も含めて全体を協調させた方が、コストも安くすみ合理的ではないかと思います。全国の電力会社の供給エリアで、太陽光発電が大量導入された時の出力変動の「ならし効果」がどの程度有るかを分析するための実測を今年からスタートさせています。

3.今後の日本のエネルギーについて
前回、お話しましたが、これからのエネルギーを考えていく上で重要なポイントは安定したエネルギーの中に不安定なエネルギーを安定的に効率的にうまく取り入れていけるかどうかだと思います。不安定な電源であるがCO2を出さない太陽光、風力、等の技術開発に電力貯蔵技術、そして安定した電源である原子力、水力、火力、これらをうまく組み合わせていく事が(ベストミックスの発想)が必要になってきます。参考として弊社が検討している太陽光発電導入の取組みと課題を提示しておきます(資料7、8、9)。エネルギー供給側の環境技術の推進とともに、需要側の設備や機器の環境技術の推進は低炭素化社会の実現に向けて大きな影響力があることはいうまでもありません。2018年時点の電力供給のCO2排出源単位(1kWhあたりの電力消費により発生するCO2排出量)の見通しから推定すると、10年後には電気自動車とガソリン車を比較するとCO2の削減効果は約75%にもなり、又、従来型の燃焼式給湯器とヒートポンプを比較すると削減効果は約50%になります。電力貯蔵技術やエネルギー効率の向上、冷媒の開発、自動車や機器の普及など考えれば今後さらに期待できるでしょう(資料10、11)。供給側・需要側双方の取り組みを推進することで、CO2削減の相乗効果が生じてきます。今後のエネルギーの方向性として化石燃料の燃焼により熱やエネルギーを造る方式はCO2を排出しますから、高効率のもの以外は極力抑制されて(もちろんエネルギーを大量に安定供給するうえでは現段階では欠かせない方式です。)、それと相まって需要側の環境技術が向上して1歩1歩低炭素化社会が実現する方向に向かうのではないでしょうか(資料12)

ヒアリングを終えて
ベストミックスという考えは現実的で妥当な考えだと思う。現在の最良策を考え、改善策がでてきたらそれを取り入れるといったように現実的に踏み出していくことが重要であろう。日本のエネルギーは実際に原子力・火力・水力といった大量に供給できる安定した電源に支えられている。(現段階で大量に安定供給してしかもCO2を出さない原子力発電が3割以上を占めている)である。そのことをベースにエネルギーを考えることを再認識したしだいである。

写真1段目:資料1(スマートグリッドについて 2009年10月P27)
1段目:資料2(スマートグリッドについて 2009年10月P28)
1段目:資料3(電力設備 平成21年度版P44)
2段目:資料4(電力設備 平成21年度版P45 一部抜粋)
3段目:資料5(スマートグリッドについて2009年10月P29)
3段目:資料6(スマートグリッドについて2009年10月P11)
3段目:資料7(スマートグリッドについて2009年10月P31)
4段目:資料8(スマートグリッドについて2009年10月P33)
4段目:資料9(スマートグリッドについて2009年10月P35)
4段目:資料10(スマートグリッドについて2009年10月P23)
5段目:資料11(スマートグリッドについて2009年10月P24)
5段目:資料12(スマートグリッドについて2009年10月P34)
出典:東京電力

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