ESCO事業の推進 「省エネ効果(温暖化防止の効果)を事業に生かす」




ESCO(エスコ)という言葉を聞いたことがあるだろうか?企業名でもないし国連の機関の名称でもない。エネルギーの分野では知っている方は多いと思うが、一般家庭ではあまり知られていないかもしれない。ESCO(エスコ)は省ネルギー活動を推進し、温暖化防止を推進する目的で内外に展開されている事業で、その事業モデルが注目されている。今回はESCO事業を推進する財団法人 省エネルギーセンターを訪問しESCO事業についてお聞きした。応対していただいたのはESCO事業推進部 課長 鎌田直樹氏である。
-ESCO事業とは-
ESCO事業は1970年代に米国で始まりました。
ESCOとは(Energy Service Company)の略称です。
この事業をわかりやすく説明すると(実際の事業規模はかなり大きいものでもう少し複雑ですがわかりやすく家でたとえてみます)ある家が電気代を節約することを考えたとします。そこに電気屋さんがきて省エネルギー診断し、ESCO事業として成立する可能性がある場合、どの省エネタイプの機器を選べば、どれくらい節約できるか、保証する省エネルギー量やESCOサービス料、省エネができなかった場合のペナルティー料や取り付け費用などを含んだ機器の見積書等を提出します。両者の話合いの結果、合意がなされるとESCO契約が結ばれ、その家は照明機器を蛍光灯からLEDに変更したり、給湯器や冷暖房を省エネタイプの機器に変更します。たとえば、いままで年間30万かかっていた電気代が20万になったとしましょう。このういたお金10万で取り付けた省エネ機器(LEDや省エネタイプの機器)の代金や取り付け費用、サービス・メンテ代を支払えば、電気代を節約した家には負担がかからないし、省エネ効果も得られるわけです。ESCO事業とは上記の例の家の省エネをもっと大きな施設で実践する事業であると考えてもらえればわかりやすいと思います。このようにESCO事業は省エネの推進(電気・ガス・燃料使用量の節約、エネルギー経費の節約)、省エネの維持(メンテ、保証)、と総合的に省エネの推進・維持・管理ができることから温暖化防止に関しても現実的な事業として期待されています。
*ESCO事業の実際の対象は、オフィスビル、庁舎(政府、自治体)ホテル、病院、一般商業ビル、学校、研究機関の建物、工場施設等の大きな施設が対象で、規模とかなり金額は大きくなりますが基本的な考え方は同じです。
-ESCO事業の進め方-
ESCO事業を進める場合はESCO事業者に施設等の診断をしてもらうことからはじまります。ESCO事業者に関しては本財団のWEBサイト(http://www.eccj.or.jp/esco/)で閲覧できますし、国内でESCOを行っている事業者の任意団体であるESCO推進協議会(http://www.jaesco.gr.jp)に連絡をして、事業者情報を入手することができます。直接ESCO事業者に依頼する場合は、ESCO事業者による予備診断、詳細エネルギー診断、プロジェクト契約、施工、計測・検証、運転管理、保守・点検、ESCO事業の終了となります。又、一般的な省エネルギー診断であればビルや工場などの無料診断を本財団で実施しており、その診断結果をESCO事業者へ提示しESCO導入可否を検討することもできます。ESCO事業者と顧客の契約については誰が資金を持つのか(調達するか)で2種類あります。
①顧客が自己資金もしくは金融機関から融資・リ-スしてもらう契約方式:ギャランティ-ド・セイビングス契約
②ESCO事業者が自己資金もしくは金融機関から融資・リ-スを受け、顧客は一切設備投資費用が不要となる契約方式:シェア-ド・セイビングス契約。この2種類です。どちらの方式を採用するかは、投資金額、金利、契約期間などを考慮して顧客とESCO事業者との間で綿密な事業計画が立案されてESCO契約を結ぶことになるわけです。
-ESCO事業の将来-
以上、述べたようにESCO事業は省エネの総合的なプランと実践を実施、保証というユニ-クな事業で温暖化防止、省エネを促進するものです。市場規模は現在、国内において約300億円の規模ですが、今後、温暖化防止の推進に対応するため内外の環境分野におい増加していくと考えられます。また、本事業を推進にあたっては省エネルギー対策として国からの補助金、低利融資などの金融上の助成措置、税制上の優遇措置も整備されていますので、これらの支援策を有効に活用してもらえればと思います。
-ヒアリングを終えて-
話を聞いていて、ビジネスモデルとしては非常におもしろく、何よりも省エネ効果そのものがそのまま事業の収支計画に盛り込まれるところがユニ-クである。省エネ効果が即、収支に影響することから現実的であり、技術開発の促進の効果も大きいと思われる。ESCO事業の今後の展開は、さまざまな環境事業分野に影響を与えそうだ。今後の本事業の展開に期待したい。
写真上段左より(財団法人 省エネルギーセンターESCO事業推進部 課長 鎌田直樹氏)、(ESCO事業に関する省エネルギーセンターWEBサイトの案内)、(ESCO事業の定義・事業者と顧客)
下段左より(ESCO事業を導入するための業務フロー)、(ESCO事業の契約方式)
出典:経済産業省資源エネルギー庁/財団法人 省エネルギーセンター 「ESCO事業のススメ」より
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