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2009年3月の記事

2009/03/16

[パックテストの共立理化学研究所 訪問記] 古明地哲人 理事より

PhotoPhoto_2Photo_3Photo_4Photo_5Photo_6Photo_7Photo_8Photo_9肌寒い2月25日の午後、鈴木健二理事と共にわが国の簡易水質検査キットのパイオニアであり、かつほとんど唯一の専門メーカーである共立理化学研究所を訪問した。訪問の目的は今年度、本機構の活動の方向を定め、それを具体化し、活性化するための一環として環境企業と共同する環境技術の創造と普及に寄与する足場を得るためであった。
 はじめに共立理化学研究所を訪問先として考えたのは、東京都在職中に、JBICの海外協力事業の一環としてインドネシア、カリマンタン、バンジャルマシンの火力発電所環境影響評価調査(法政大学下村恭民教授)に技術担当として参加し、発電所の排水調査に共立理化学研究所の水質測定キットを携行し、大変便利に使用させていただいた経験からであった。同様のインド、バラナシ、アンパラ火力発電所影響評価調査においても同キットに大変助けられた。 かつ、岡内社長には同キットによる水質測定調査、特にさまざまなフィールド調査での適用事例を考慮した調査法と調査キットとを用意していただいた。 このように、この水質調査キットは環境教育における環境調査入門から専門調査にいたるまでフィールド調査には欠かせない重要で不可欠なキットとして広く普及し、かつ、様々な環境問題への科学的なアプローチに大きく寄与してきた。 先進的で技術革新に積極的に取り組んでおられる岡内社長にインタビュウし、本推進機構が企業、諸団体と共同し、環境問題に卓越した社会的貢献を果たしていくことが出来る端緒としたいと考えている。

1共立理化学研究所の沿革 
1952年初代社長岡内重寿氏が特に複雑な機械、器具や難しい操作を必要としない簡易分析の普及を目指し、共立理化学研究所を創設。pH試験箔の製造を開始した。以後、この設立目的は2代目社長岡内完治氏に受け継がれ、一貫して環境問題の啓蒙、改善に貢献する企業として発展してきた。現在パックテストは61種類に達し、環境教育、環境団体、企業、行政の環境調査、監視、規制にも多く使用されるに至っている。

2岡内社長へのインタビュー
 岡内社長が語られた会社の経営理念は、環境情報は特定の専門家、研究者、また行政関係者のような専門家だけに特別に限定されるものでなく、また高度に専門的で一般の人には扱うことの出来ない問題ではなく、“だれでもできる”が基本としていつも位置付けられていることである。岡内社長が語る言葉にはそのための準備として、またそのことを可能にする条件として、一般の人がある科学的水準の調査ができる科学的手段および環境を設定することにあるとの信念を感じた。 一般の人でも、ある科学的水準の調査が可能なように、そのための科学的手段および環境を設定し、さらにこれを実用的な水質調査キットとして提供することにあるとの信念を感じた。
 そのことを明確に示しているのが岡内社長の著書「だれでもできる(新版)パックテストで環境しらべ」(合同出版)であり、このテキスト1冊があれば相当に専門的な調査にいたるまでかなりの科学的レベルの環境調査、結果の評価が出来ることである。このテキストとパックテストキット、一般の人からなる調査ティーム、それに専門的なアドバイザーがいればなお力強いが、このようなティームがある目的を持って力を合わせることができるとき、すばらしい結果を生むことが出来ると期待される。 さらに、以上触れてきたことが現実となり、だれでもできる、安価でしかも科学的な同時並行の大きな環境調査、その結果の評価をも可能とした全国調査へと発展し、現在も継続している例を見ることができる。その一例として“水環境の全国一斉調査(笑顔でつなぐゆたかな水辺)”(事務局:全国水環境マップ実行委員会)がある。2007年に第4回、2008年に第5回の全国調査が実施された。
 岡内社長はこの画期的な全国調査を技術面から全面的にサポートし、環境に対する科学的理解とその普及のためにご自身の理念を情熱をもって実現していった。 現在、会社は社員30名を数え、世界的な環境クライシスに対しても挑戦していく体制を整えつつある。
 
終わりに
“だれでもできる”からさらなる挑戦を展開していただき、“みんなでまもる”地球環境を実現していくパックテストの会社として、またこれからも社会貢献をしていく会社として発展されんことを心から願い、ご多忙の中、快くインタビュウの時間を割いてくださった岡内社長、会社の皆様に感謝しつつ訪問を終えることが出来た。 本機構も、2009年度実際に働く機構として、環境問題の理解、啓蒙、調査のサポート等、様々な面で協力できる関係を共立理化学研究所をはじめ多くの企業、団体と具体化し、築いていくつもりである。

上段左より:岡内社長、水質簡易測定器パックテスト(標準タイプ)、デジタルパックテスト、
中段1段左より:デジタルパックテスト・マルチ、油分測定試薬セット+油分測定計、濁度・色度計、
中段2段左より:ブルネイでの研修会、タイ山岳民族との交流、パックテストで環境しらべ(合同出版)
下段:身近な水環境の全国一斉調査(事務局:全国水環境マップ実行委員会/連絡事務局:みずとみどり研究会)

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2009/03/01

ESCO事業の推進 「省エネ効果(温暖化防止の効果)を事業に生かす」

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Photo_4ESCO(エスコ)という言葉を聞いたことがあるだろうか?企業名でもないし国連の機関の名称でもない。エネルギーの分野では知っている方は多いと思うが、一般家庭ではあまり知られていないかもしれない。ESCO(エスコ)は省ネルギー活動を推進し、温暖化防止を推進する目的で内外に展開されている事業で、その事業モデルが注目されている。今回はESCO事業を推進する財団法人 省エネルギーセンターを訪問しESCO事業についてお聞きした。応対していただいたのはESCO事業推進部 課長 鎌田直樹氏である。

-ESCO事業とは-
ESCO事業は1970年代に米国で始まりました。
ESCOとは(Energy Service Company)の略称です。
この事業をわかりやすく説明すると(実際の事業規模はかなり大きいものでもう少し複雑ですがわかりやすく家でたとえてみます)ある家が電気代を節約することを考えたとします。そこに電気屋さんがきて省エネルギー診断し、ESCO事業として成立する可能性がある場合、どの省エネタイプの機器を選べば、どれくらい節約できるか、保証する省エネルギー量やESCOサービス料、省エネができなかった場合のペナルティー料や取り付け費用などを含んだ機器の見積書等を提出します。両者の話合いの結果、合意がなされるとESCO契約が結ばれ、その家は照明機器を蛍光灯からLEDに変更したり、給湯器や冷暖房を省エネタイプの機器に変更します。たとえば、いままで年間30万かかっていた電気代が20万になったとしましょう。このういたお金10万で取り付けた省エネ機器(LEDや省エネタイプの機器)の代金や取り付け費用、サービス・メンテ代を支払えば、電気代を節約した家には負担がかからないし、省エネ効果も得られるわけです。ESCO事業とは上記の例の家の省エネをもっと大きな施設で実践する事業であると考えてもらえればわかりやすいと思います。このようにESCO事業は省エネの推進(電気・ガス・燃料使用量の節約、エネルギー経費の節約)、省エネの維持(メンテ、保証)、と総合的に省エネの推進・維持・管理ができることから温暖化防止に関しても現実的な事業として期待されています。
*ESCO事業の実際の対象は、オフィスビル、庁舎(政府、自治体)ホテル、病院、一般商業ビル、学校、研究機関の建物、工場施設等の大きな施設が対象で、規模とかなり金額は大きくなりますが基本的な考え方は同じです。

-ESCO事業の進め方-
ESCO事業を進める場合はESCO事業者に施設等の診断をしてもらうことからはじまります。ESCO事業者に関しては本財団のWEBサイト(http://www.eccj.or.jp/esco/)で閲覧できますし、国内でESCOを行っている事業者の任意団体であるESCO推進協議会(http://www.jaesco.gr.jp)に連絡をして、事業者情報を入手することができます。直接ESCO事業者に依頼する場合は、ESCO事業者による予備診断、詳細エネルギー診断、プロジェクト契約、施工、計測・検証、運転管理、保守・点検、ESCO事業の終了となります。又、一般的な省エネルギー診断であればビルや工場などの無料診断を本財団で実施しており、その診断結果をESCO事業者へ提示しESCO導入可否を検討することもできます。ESCO事業者と顧客の契約については誰が資金を持つのか(調達するか)で2種類あります。
①顧客が自己資金もしくは金融機関から融資・リ-スしてもらう契約方式:ギャランティ-ド・セイビングス契約
②ESCO事業者が自己資金もしくは金融機関から融資・リ-スを受け、顧客は一切設備投資費用が不要となる契約方式:シェア-ド・セイビングス契約。この2種類です。どちらの方式を採用するかは、投資金額、金利、契約期間などを考慮して顧客とESCO事業者との間で綿密な事業計画が立案されてESCO契約を結ぶことになるわけです。

-ESCO事業の将来-
以上、述べたようにESCO事業は省エネの総合的なプランと実践を実施、保証というユニ-クな事業で温暖化防止、省エネを促進するものです。市場規模は現在、国内において約300億円の規模ですが、今後、温暖化防止の推進に対応するため内外の環境分野におい増加していくと考えられます。また、本事業を推進にあたっては省エネルギー対策として国からの補助金、低利融資などの金融上の助成措置、税制上の優遇措置も整備されていますので、これらの支援策を有効に活用してもらえればと思います。

-ヒアリングを終えて-
話を聞いていて、ビジネスモデルとしては非常におもしろく、何よりも省エネ効果そのものがそのまま事業の収支計画に盛り込まれるところがユニ-クである。省エネ効果が即、収支に影響することから現実的であり、技術開発の促進の効果も大きいと思われる。ESCO事業の今後の展開は、さまざまな環境事業分野に影響を与えそうだ。今後の本事業の展開に期待したい。

写真上段左より(財団法人 省エネルギーセンターESCO事業推進部 課長 鎌田直樹氏)、(ESCO事業に関する省エネルギーセンターWEBサイトの案内)、(ESCO事業の定義・事業者と顧客)
下段左より(ESCO事業を導入するための業務フロー)、(ESCO事業の契約方式)
出典:経済産業省資源エネルギー庁/財団法人 省エネルギーセンター 「ESCO事業のススメ」より

     

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