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2008/04/16

亜臨界水による汚泥処理について(大阪府立大学吉田教授に聞く)

PhyoshidaC007dd68汚泥処理への亜臨界水の利用について、大阪府立大学 大学院工学研究科物質・化学系専攻 化学工学分野 教授/大阪府立大学21世紀科学研究所資源循環工学研究所 所長である吉田弘之教授にお話しを伺った。汚泥処理には、経費がかかり、有益なものが何も生成しないというのが、通説になっているが、エタノールを生成させる技術があると聞き、穀物を用いてエタノールを作るより、下水汚泥から出来れば、収率が悪くても十分採算が取れるという思いで質問を始めた。

エタノ-ルの製造についてー
教授によると、今のところ効率よくエタノールを作るところまではいってない、エタノールを作れないことはないが、収率が悪い。それより、メタンガスを作って利用するほうが、ずっと採算が合うとのことであった。そこで、汚泥のメタン醗酵により収率良くメタンを生成する方法について聞くことにした。

メタンの醗酵と実証実験について-
汚泥処理で亜臨界水を用いてメタン醗酵させるには、水分90%以下にすることが必要。亜臨界水を用いると、通常のメタン醗酵の2倍のメタンが得られる。しかも、37℃でメタン醗酵させた場合、通常だと1ヶ月かかるが、亜臨界水を使うと1~5日で完結する。すなわち、醗酵槽が小さくてすむということになる。発生したメタンガスは、4:6=CO2:CH4で発電に用いることが出来る。現在、ヤマハのビノという50ccのバイクを使って実証実験をしている。バイクや自動車のガソリンエンジンを用いる場合、メタンガス濃度を95%以上に濃縮するだけでよい。吸着法により低コストで濃縮できることを実プラントで実証している。バイクのシート下の20リットルのガスタンクに活性炭が詰めてある。このタンクにメタンガス1m3を入れ活性炭に吸着させる(10気圧)。走行する時は、タンクからメタンガスがエンジンに流れ、50km走行できる。排気ガスは完全に無色無臭で低公害である。本年3月から360ccのバイオメタンガス自動車を導入し、学内の郵便物配達に利用している。現在、おからをメタン醗酵させているが、小さいバケツ1杯(湿潤おから)で1m3のメタンガスが取れる。亜臨界処理をすると、殺菌が完璧になる。無菌の汚泥がメタン醗酵に使われる。亜臨界水の装置は、焼却炉より設備費が安い上に、ゼロエミッションを達成できるので、企業イメージの向上に役立つ。下水汚泥を亜臨界水で処理することについて、堺市の委託でフィージビリティをやったが非常に良い結果が得られている。

*亜臨界水:「水は大気圧ではセ氏100度で沸騰しますが、密閉して圧力を高めれば300度を超えても水のままです。水と水蒸気の区別がなくなる374度、218気圧を臨界点と呼び、これより低い温度・圧力の水が亜臨界水です。分解力が強く、高分子の鎖を瞬時に断ち切ったり、水なのに油を溶かしたりする。酵素や触媒がなくてもさまざまな有用物を分離・抽出でき、いわば魔法の水です」
写真左:大阪府立大学 大学院工学研究科 吉田弘之教授 右:出典は吉田弘之先生の「亜臨界水処理による木綿、羊毛、合成繊維やこれらの混紡繊維からの有価物の製造」より3P

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