日立造船株式会社 溶融・焼却炉について その2
溶融・焼却炉について
その2(焼却・溶融炉の技術)
前回は焼却の概要 なぜごみを焼却するのか?また焼却するメリットをお聞きした。今回は焼却する技術について説明してもらった。ごみの焼却(燃やすこと)は古代から人間が行ってきた古くて新しい処理技術であるといえる。(説明していただいたのは日立造船株式会社 営業本部 営業企画グル-プ 担当部長 福士静治氏、環境営業部 東京営業部 係長 戸田憲治氏)
-焼却炉形式について-
ごみ焼却施設には昔からあるいわゆる焼却だけの「ごみ焼却施設」と、最近になって開発・採用されてきた、ごみをガス化してそのガスを燃やした熱で灰を溶融する「ガス化溶融施設」、ガス化してそのガスを他で使用できるように改質してガスエンジン駆動等の原燃料等に利用する「ガス化改質施設」の三種類があります。
さらに採用する炉の形式により「ごみ焼却施設」はストーカ式/流動床式/キルン式に、「ガス化溶融施設」は流動床式/キルン式/シャフト炉式に、「ガス化改質施設」も流動床式/キルン式/シャフト炉式に分けられます。(表-1参照)ごみ焼却施設には炉だけではなく、ごみを受け入れる設備や、排ガスを処理する設備、ごみの熱を電気に変換する設備等様々な設備が付帯します(図-1参照)。また、焼却施設から出てくる灰に熱を加えて溶かしてスラグにする灰溶融施設もあり、使用するエネルギー源の違いにより電気式/燃料式に分けられます(図-2参照)。今回は、現在最も多くの自治体で採用されているストーカ式焼却施設と電気式灰溶融施設および最近採用が多くなってきました、流動床式ガス化溶融施設について説明いたします(図-3参照)。
-スト-カ炉+灰溶融炉-
スト-カ炉は数十年前からごみの焼却炉に使われていた方式で、ごみを火格子と呼ばれる前後に往復する鋳物の板の列の上でゆっくり攪拌し下流に送り出しながら燃やす方式です。そこでごみは850から1,000℃の温度で焼却され、最後には灰になります(図-4、図-5参照)。灰は通常は埋立処分場に埋められますが、この灰を更に加熱(約1,400度)して溶かした後冷却すると、砂利や砂の代わりとして使えるスラグになります(図-6参照)。ここではプラズマ式灰溶融炉というものを使っていますが、電気を使って超高温のプラズマガスというものをつくり、そのプラズマガスで灰を溶かす方式です。使う電気はごみを燃やしたエネルギーから作り出します(図-7参照)。燃やしたり、溶融したりすると排ガスが発生しますが、その排ガスの中のばいじん・塩化水素・硫黄酸化物・窒素酸化物・ダイオキシン類は、ろ過式集じん器や触媒で消石灰やアンモニアや活性炭などの薬品を使って分解あるいは除去されて無害なガスになります(図-8参照)。ストーカ炉の技術は昔から最も数多く採用されている方式で、信頼できる「枯れた」技術であるといえます。
-流動床式ガス化溶融炉-
敷き詰めた砂に下から空気を吹き込みますと、沸騰している水のように砂が流動化します。高温の流動化した砂にごみを投入すると、砂で攪拌・加熱されるので効率よく燃焼できます。このとき、ごみが完全燃焼するのに十分な量の空気を入れますとごみは850℃から1000℃位で燃焼し、灰と炭酸ガスになります(流動床式焼却炉)(図-9参照)、一部分だけ燃焼する量の空気しか入れませんと500℃から650℃の温度で燃焼し、酸素不足で燃え切れなかったごみは可燃性のガスと細かな可燃性固形分になります(流動床式ガス化炉)(図-10、図-11参照)。この可燃性ガスと固形分はダクトで接続されている溶融炉に飛んで行くのですが、そこで空気を入れますと非常に効率良く燃焼するため1300℃以上の高温になり、固形分が燃焼してできた灰も溶けてスラグになってしまいます(図-12、図-13参照)。もちろん排出ガスはストーカ炉で説明したように有害物質を除去・分解して大気に戻すわけです(図-14参照)。一度に溶融までしてしまうため、ここ十年ほどで採用が増えて来た技術です。
代表的な焼却技術について簡単に説明しましたが、以上の2つが現在の大きな焼却技術の基本といえるでしょう。地域によってごみの処理量や特性、また周辺の環境、予算等、様々な条件がありますが、焼却する技術、無害化する技術、資源化する技術の進歩は多様な適用性を促進すると考えています。
ヒアリングを終えて-
現在の私達の社会と焼却する技術は生活に密接に関連していることを痛感した。ごみを出さない社会はありえない。今後、地域のさらなる様々な用途に応じていく環境技術として焼却処理技術を再認識したしだいである。
上記図・表: 一段目(左より表-1.図-1.図-2)、二段目(左より図-3.4.5)、三段目(左より図-6.7.8)、四段目(左より図-9.10.11)、五段目(左より図-12.13.14) [出典:日立造船 資料より]
| 固定リンク
















コメント