食の環境を考える


食は私達の生活の中でなくてはならないものであり、食の環境を考えることはエネルギーと同じように私達の将来の生活を占う重要なファクターを考えることといっていいだろう。今回は土の話と(土壌改良含む)、食品残渣の再資源化について肥料メーカーの方にわかりやすく話しをしてもらった。ただ諸事情のため取材に応じていただいた肥料メーカー名、担当者の方の名前・写真は今回は割愛した。
1)土の良し悪し・土壌改良について
よく土がだめになる。土壌を改良しないといけないという話を聞くと思いますが、それは私達(人間)の体と成長に置き換えるとわかりやすいと思います。良い土とは化学性(土の酸性度やアルカリ度、肥持ち、地力等)、物理性(土の保水性、通気性、透水性等)、生物性(病原菌、有効菌、等)の3つの特性のバランスが取れている土をいうわけです。(もちろん植える作物・品種等によって土のバランスを考えなければいけませんが。)
また農家が売れるものを作るための土ということであれば、さらに高品質で高収穫の作物を育成する条件が付加しなければなりません。土が良くなる悪くなるということ、これは、人間にたとえれば偏った食生活を続けると、ビタミンや栄養が偏り:(化学性)、住む環境が悪かったり、家の陽ざしや、湿気や、空気、水はけ等が悪い:(物理性)、病気になるウィルス等の蔓延:(生物性)といったことと同じで、人が健康に成長する条件に当てはめればわかりやすいでしょう。そして私達が健康維持のために人間ドッグに入るように、土も土のドッグ(土壌診断)が必要で、これは地方自治体、各団体、等で実施しています。簡単にいうと農業での土壌改良とは人間と同じように(食事制限やアルコ-ル規制等)、作物が育ちやすいよう土の環境バランスを取ることといっていいと思います。
2)食品残渣の再資源化について
食品残渣を肥料にするという話の前に、肥料には「特殊肥料」と「普通肥料」という法律上の分類があることを理解してほしいと思います。これは「肥料取締法」という法律で定められている分類であり、2つは厳密に区分されています。このうち食品残渣を使用したたい肥等は特殊肥料に分類されます。(特殊肥料と普通肥料の違いは上写真左:別表及び法律参照)
食品残渣を再資源化することは方向性としてはいいと考えますが、現状多くのハ-ドルが存在し、それを超えていかなければなりません。大きなハ-ドルの一つは食品残渣の場合、それを再資源化するときの前工程(供給元の対応;回収・分別等)です。食品残渣はいろいろなものが混在しています。肥料はデリケ-トなものですからその原料についても回収・分別をしっかりすることが望まれます。今後、食品残渣の再資源化はこの前工程のシステム作りにかかっているといってもいいと思います。次の大きなハ-ドルは後工程(流通及び需要;コスト・使う側の認識等)です。当然、肥料を使用する側は費用対効果を見て肥料を購入するわけですから、一般的に肥料成分が低くて安定しにくいといわれる食品残渣を原料とした肥料では、値段が高いと使われません。当然ながらコストと品質のバランスが重要になってきます。また、再資源化に対する認識の浸透とその流通(チャネル)を開拓する必要がでてきます。
以上をまとめると、食品残渣再資源化を一つの事業として長続きさせるには、食品残渣も一つの商品として考える必要があり、特に品質の維持、需要と供給のバランス維持が必要ということになります。
―ヒアリングを終えて
今回のヒアリングの後に、食の環境について考えてみたが、食料自給率、家庭の生ゴミの堆肥化、食の再資源化、食の安全、等、大きな例から卑近な例までたくさんありすぎて驚いてしまった。日常、何不自由なく食していることをじっくりよく考えてみることを痛感したしだいである。
写真左:別表・特殊肥料と普通肥料※(財)農林統計協会発行「ポケット肥料要覧」より抜粋(一部追加及び省略)写真中・写真右:食のイメ-ジ写真
| 固定リンク

コメント