急速に拡大する光触媒技術と用途



光触媒は、1972年ネイチャー(Nature)誌に報告された「本多-藤嶋効果」をきっかけに、現在では建材や生活用品等に広く実用化されており、今後もその用途と市場は急激に広まることが期待されています。
今回は昨年(平成18年11月1日)光触媒製品技術協議会が合流して国内唯一の業界団体となった光触媒工業会 (Photocatalysis Industry Association of Japan ,http://www.piaj.gr.jp/)を訪問し、その技術と産業動向についてお聞きした。(補足:光触媒工業会事務局は現在太陽工業株式会社内にあり対応していただいたのは太陽工業株式会社 研究開発本部 技術企画室 主幹技師 田中国栄氏と同企画室 技師補 親川昭彦氏)
-光触媒について
光触媒とは分かりやすくいうと光があたると触媒作用を示す物質のことです。通常の触媒はご存知のように自分自身では変化しませんが化学反応を促進します。代表的な光触媒物質として、酸化チタン (TiO2)が知られています。粉末状の酸化チタンを水中に入れ光(主に紫外線)を当てると水の分解反応が進行し、水素と酸素に分解されます。このような酸化チタンを用いた水の分解過程は、発見者の名前を取って「本多-藤嶋効果」と呼ばれています。
-光触媒の反応について
光触媒の反応は「分解力」と「超親水性」の2つがあります。
1)分解力とは、酸化チタンに光があたると様々な有機物を分解する反応のことです。例えば雑菌や細菌をなくしたり(抗菌効果)、汚れをつきにくくしたり(防汚効果)、臭いの発生を抑制したり(空気浄化)、かびの発生を抑制する(防かび効果)などがあります。
2)超親水性とは、水が物質の表面になじむようになる性質のことで、例えば防曇(酸化チタンがコーテイングされているガラスや鏡では水滴がつきにくく曇りが防止でき、車のサイドミラ-等にも応用されています)効果です。さらに防汚効果(建物の外壁等の汚れの下に入り込み、浮き上がることによって、汚れが流れ落ちる)があります。ただし、光のあたらないところや雨のかからないところでは、効果が少ない場合もあるので、光触媒を使用する場合はその環境をよく考慮する必要があります。
このように光触媒の効果を利用した様々な用途が考えられます。光のあるところあらゆる製品に応用できるといっていいでしょう。また地球環境を考えた場合、理想的な技術といってもいいと思います。ちなみに太陽工業ではバス停などのタ-ミナルや駅ホームの屋根に光触媒テントが多く採用されています。
-今後の展開について
光触媒技術は日本発の有望な環境技術です。ただ用途が広く様々な分野で応用されているため、効果の確認が難しい場合もあります。光触媒工業会では一般消費者に分かり易い表示方法を掲示できるよう製品の規格化や標準化に取り組んでいます。経済産業省 製造産業局化学課や学識経験者の先生方指導のもと、JIS,ISO化に向け活動を推進していきます。また、今年も10月17日~19日に東京ビッグサイトで国際光触媒展を開催し、その技術を広く国内、国外へ向け発信する予定です。
-ヒアリングを終えて
光触媒技術は日本発の有望な環境技術で応用範囲が広い、内外ともに光触媒工業会の今後の展開に注目したい。
写真左より「太陽工業株式会社 研究開発本部 技術企画室 技師補 親川昭彦氏、と同企画室 主幹技師 田中国栄氏」、「光触媒工業会の委員会活動報告」、「光触媒工業製品の応用分野」、写真下段「光触媒の市場(経済産業省掲載)」、出典:光触媒工業会会長 太陽工業(株)能村卓氏 講演「光触媒業界の動向と課題」より
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