東京大学 生産技術研究所 サステナブル材料国際研究センター 山本良一 教授に聞く

山本良一先生は「1秒の世界」(ダイヤモンド社)という本を出して、小中学生またその親に大変わかりやすく環境問題を取り上げています。また今度「気候変動プラス2°C」(ダイヤモンド社)という本を出して気温上昇が2°Cを超えると気候リスクが急激に増大するという研究をもとに温暖化による自然への影響と温暖化対策への取り組みの事例を説明し、しかも1950年から2,100年までの地球温暖化ビジュアル地図をページごとに掲載して気温上昇と気候リスクをわかりやすく説いています。今回は東京大学 生産技術研究所を訪問し山本良一先生に温暖化と私達の将来についてお聞きした。
「温暖化への取り組みには大きく1)いまのGDPを維持しながら温暖化対策を講じる(すなわち資源生産性や環境効率を向上させる)2)いまのGDPを下げて温暖化対策を講じる(GDPを下げても真の社会進歩指標GPIが一定水準に維持できれば、生活の質や社会の安寧は維持できる)という2つの政策があります。2)のGDPを下げるということについてこれはやったことがないのでなかなか国も企業も政策として取りにくいのが実際です。しかし地球は重病に陥っており、ポイント・オブ・ノ-リタ-ン(引き返すことのできなくなる時点)はもう間近にきているといっていいでしょう。ガイア仮説を提唱した科学者ジェ-ムズ・ラブロックはもうその時点を通過してしまっていると発言しています。このことは地球という体が病気になっているのになかなか病院にいかず、まだ大丈夫、まだ大丈夫といっている患者に例えることができるでしょう。温暖化効果ガス(おもに二酸化炭素、他にオゾン、フロン、一酸化二窒素、メタンも同様の性質を持つ)の濃度があがると気候リスク(洪水、水不足、飢餓、異常気象等)が発生します。現在の社会はこの温暖化効果ガスを出しながら経済成長を続けています。一時も早く対策を打たなければなりません。そのためには社会全体で環境を重視した(環境効率)を考えた社会システムや製品、そして新しい価値観や新しいビジネスモデルを創り上げて推進していかなければなりません。」
山本先生の話を聞き環境への取り組みは待ったなしであることを再認識した。
(写真左:東京大学 生産技術研究所 山本良一 教授)
(写真右:「気候変動+2℃」 発行ダイヤモンド社)
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