「春の立山 雪の大谷」 柴野会長より

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前日までの雨天がウソのように晴れ渡った2012年5月13日、立山カルデラ砂防博物館が主催した「2012 フィールドウオッチング 『春の立山 雪の大谷』」に参加した。
博物館(標高475m)を出発したバスは、新緑の燃える美女平(標高約1000m)を通り、立山杉の林の間を進んだ。このあたりから雪の世界が始まり、林を抜けるあたりでは一面雪の原で、2日前に積もった新雪で、サングラスをかけないと目が痛いほどである。
標高が上がるに従い積雪量が増え、天狗平(標高約2300m)付近からは、バスの窓から外の景色が見えづらいほどの高さになった。今回のフィールドウオッチングの目玉である『雪の大谷』に入ると10mを越える雪の壁(当日は最高地点で15mの積雪)で、見えるのは雪の壁だけである。多くの人が雪の大谷を散策しており、評判の高さが伺える。
標高2450mの室堂でバスを降りると、そこはラッシュ時の駅構内の有様で、中国語、韓国語など近隣諸国の言葉が行き交っていた。ちなみに、台湾の旅行会社が選定した『生きている間に見ておきたい世界の風景28』に「立山の雪の大谷」が入っているという。
「雪の大谷」へ行く前に、自然保護センターで立山カルデラ砂防博物館の学芸員から立山の雪や雪の大谷について説明を受けた。
雪の大谷がもっとも深かったのが昭和56年の23mで、今年は17mだったとのことである。
道路をつけるために除雪した雪で雪の大谷が出来ると思っている人が多いけれども、これは自然に積もったものだそうだ。通常除雪と言えば、ラッセル車のように雪を遠くへ飛ばす方法が思い浮かぶが、立山アルペンルートの除雪は、ブルドーザーで薄く削り押して行って谷へ落とす作業を繰り返すそうである。
今は、雪の下の道を探すのにGPSを用いているが、昔は周囲の山などの風景から推定していたので、作業が出来るのは職人技を持った2~3人しかいなかったそうだ。彼らの腕前は、GPS以上だとの評判もある。
室堂周辺は1年に20m近く積もり、それが全て解けてしまうという世界でも有数の豪雪地帯で有名だが、20mもの雪の壁の間を歩きながら見られるのは、世界唯一とのこと。
1年のうち9ヶ月は雪が積もっている立山の雪は、その期間の気象の記録でもある。
自然保護センターでの解説の後、「雪の回廊」という学習の場に移って解説してもらった。
雪の壁には、横縞が入っていて、それぞれその性格から「しまり雪」「ざらめ雪」「氷板(雪が雨や暖気で解けて凍ったもの)」「黄砂の層」「汚れ層」などと名づけられていて、気象観測の情報や積雪の情報等からそれぞれの層が形成された日が分かるので、「雪のカレンダー」といわれている。
また雪の化学分析で、海の塩の成分、酸性雨の成分、火山の噴火物等が測定される。立山の東斜面にある万年雪(氷河と認定されたものもある)には、1950~60年代にアメリカやソ連が行った原爆実験の際の放射性物質も含まれているそうだ。
昼食後、室堂平周辺で、雪に関わるいろいろなことを教わった。
気流の関係で、建物の風上には雪が積もらないこと。地形の関係で数mはなれるだけで積雪深が5mも違うこと。雪庇の上が非常に危険なこと。など、いろいろなことを教わり非常に有意義な1日であった。
標高差250mほどを一気に滑り降りる春スキーを楽しむ人たちをうらやましく思いながら下山の途についた。

写真:上段左より:立山黒部アルペンル-ト、雪の大谷で最も深い所、雪の大谷を散策する人達、中段左より:雪の大谷を通るバス、美女平付近から称名の滝を望む、標高1500m付近、下段左より:雪のカレンダー、立山杉の林を抜ける

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2012/05/01

「中国・大姑娘山のヤク番人小屋でのマイクロ水力発電」 青木理事より

中国の四川省の省都の「成都」から約230 km離れた場所に5,000m~6,000級の山として「四姑娘山」が横渡る。
四姉妹の山の意味であり、長女の「大姑娘山 (5,025 m)」、次女の「二姑娘山 (5,276 m)」、三女の「三姑娘山 (5,355 m)」、四女の「四姑娘山 (6,250 m)」の4つからなる連峰である。長女から順に標高が高くなる。四女の山は別名、「中国のアルプス」、あるいは「東洋のアルプス」とも言われるものであたかもマッターホルンを思わせるような山である。
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左から「四姑娘山 (6,250 m)」 と「三姑娘山 (5,355 m)」


長女の山である大姑娘山(標高 5,025 m)に登る途中の標高 3,600~3,800mに位置するベースキャンプやヤクの番人小屋には「マイクロ水力発電」によって電気を得ている。沢に流れる水を利用してのマイクロ水力発電による電力は、ヤク小屋の白熱電灯のみならずテレビ、洗濯機などに利用されている。富士山とほぼ同じ標高で沢に流れる水の力で得た電気でテレビや洗濯機が使えるのであるから驚きである。中国の山奥では電気を得ることが困難なのでマイクロ水力発電が利用されている。マイクロ水力発電機は小屋近くの沢に大きな石で積み重ねた簡単なものである。日本でも簡単にできるのではないかと思ったぐらいだ。
ヤク番人小屋の一つの発電能力は2.4kWにもなり、窓の無い小屋の中は暗いため200Wの白熱電灯が2つ、60Wの白熱電灯が数個あり、点灯していた。小屋の外には衛星アンテナがあり、テレビ受像機があり、スイッチをいれると視聴することができた。洗濯機もあり、これは家庭用二層式洗濯機でヤクのミルクを攪拌するために利用しており、ミルクからチーズを作っている。自給自足といった感じである。標高3,800mに位置する番人小屋で再生可能エネルギーの利用状況を確認することができた。

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ヤクの番人小屋

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マイクロ水力発電機 

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沢の水


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左:ヤク番人小屋の中(白熱電灯) 右:薄型テレビと洗濯機


高山植物が咲き乱れ、雄大さと奥地での生活を垣間見て、心が豊かになった。3月~10月までこの地でヤクと牛と馬を育て、冬場は麓に降りると言う。ヤクだけは冬場も残されて厳冬期を生き延び、再び春に出会う時には大きく成長しているという。中国の山奥で再生可能エネルギーの活用の実態を肌で感じることができた。日本でもマイクロ水力発電は展開できるのではないかとも思った。

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2012/04/16

「日本にも氷河があった」 柴野会長 より

Photo2012年4月、日本雪氷学会が立山連峰にある氷体が氷河であることを認定した。氷河と言えば、南極やアルプス、ヒマラヤなど高緯度地域や高山にあるものと思っていた。
極東アジアでは、カムチャッカ半島の氷河が南限とされていたから、立山に氷河があるとなると、南限が一気に2000km以上も南に移動したことになる。今回認定された氷河周辺は、急峻な渓谷美で有名な黒部川流域にあり、東側に白馬岳、西側に立山連峰といった3000メートル級の高山があることと、日本有数の豪雪地帯にあることから、多くの谷には万年雪があり、夏山の登山者を楽しませている。2009年に、雄山(3003m)東斜面の御前沢雪渓(氷体の大きさ:長さ700m、幅200m、暑さ30m)と、剣岳(2999m)の北東斜面にある三ノ窓雪渓及び小窓雪渓にある氷体が移動しており氷河の可能性が高いことを、立山カルデラ砂防博物館の学芸員が、発見したという新聞報道があったとき、私は「やっぱりあったか」と感慨ひとしおであった。
50年も前の話になるが、富山大学に小笠原和夫という気象学の権威が物理学科の教授をしておられるということで、小学生の頃から気象学に興味を持ち勉強してきた私は、先生の教えを受けようと物理学を専攻することにした。ところが残念なことに、私が専門課程に進級する年に定年退官を迎えられ、芝浦工業大学へと移っていかれた。私たちは、立山連峰の中の別山(2880m)の頂上付近にある硯ヶ池は氷河の名残の池だと聞かされていて、氷河があることを確信していた。しかし、当時は、現代のようにGPS等もなく、氷体が移動していることを確認できなかったのであろう。北アルプスには、まだ多くの氷体の存在が確認されているので、精密な調査によって多くの氷河が発見されることを期待したい。しかし、地球温暖化によって、世界の多くの氷河が小さくなっているという報道がある中果たして今回認定された氷河が将来にわたって存在しうるのか心配である。貴重な資源を後世の世代に残すためにも、二酸化炭素をはじめとする温暖化ガスの排出を抑えるだけでなく、すでに排出されたものの削減に努めることによって、一刻も早く地球温暖化を食い止めたいものである。
地図出典:「立山・氷河認定」を伝える北日本新聞(2012.4.5朝刊)より

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2012/04/01

電気の「見える化」から「理解(わかる)化」へ             日本テクノ株式会社

Img_0011Img_0014Img_0013今回は工場・オフィス・店舗などで時計+電気の「見える化」を実現した日本テクノ株式会社を訪問し、「SMART CLOCK」の開発目的についてお話を伺った。対応していただいたのは広報室 室長 中山大志郎氏である。

1.電気を使用する場合の2つの契約
電気は電力会社から電線(送電線)に乗って送られてきます。電柱と電線をイメ-ジすればわかりやすいでしょう。電気を必要とする家庭や事業者は電線から電気を引き込むときに電力会社と契約を結びます。電気を利用する契約には大きく分けて一般家庭などの低圧受電契約と、たくさん電気を使用する工場やオフィスなどの高圧受電契約の2つの方式があります。低圧受電契約は電柱からトランス(電力会社が設置している変圧器)経由で電気を引き込みます。電柱には箱型のトランスがついていますから観察してみてください。このトランスで100Vと200Vに変圧されて一般家庭に届けられます。一方、たくさんの電気を使用する工場やオフィスなどの高圧受電契約は、一般家庭のように電力会社のトランスを経由せずに、自らの敷地内に変電設備を設置して電気を引き込みます。これは変電設備を設置して直接電気を引き込むことで電気料金が安くなるからですが、設置した設備については電気事業法に定められた保守点検が義務づけられています。その保守点検は従来、国の指定法人(電気保安協会)や個人の電気管理技術者が行っていましたが、規制緩和により民間参入が認められるようになり、弊社はその変電設備の監視システム(ESシステムDNA)を開発・普及してきました。変電設備に異常が発生した場合に自動で監視センターに通報し、待機している技術者が対応します。

2.省エネ活動の効率化と普及
電気を使用する場合、低圧受電契約と高圧受電契約があると話をしましたが、電気をたくさん使う高電圧受電契約の話をメインに実践的な省エネ活動の話をしたいと思います。電力会社との契約は基本料金と実際に使用している電気量で計算されています。基本料金+実際の使用量=電気料金という式です。基本料金は1日のうちの30分単位で平均値を求め、その最大値を年間の基本料金として設定してしまいます。つまり、1日の30分のうちたった1回でも大量に電気を使ってしまった(エアコン、機械、照明、・・をフルに使用してしまった)場合はその値で電気料金が計算されてしまうので、それまで省エネ活動をこまめにしていても(照明をこまめに消したり、エアコン温度を調整したり、・・)、最大の平均値で設定されることを忘れていると省エネの経済効果がでてこないということになります。省エネ活動の盲点といっていいでしょう。そこで弊社は30分の平均値を低く抑え、最大値を超えそうになった場合に警報を鳴らす監視システムを開発しました。音声やパトランプなどでお知らせします。

3.「SMART CLOCK」のデザイン 
実際の職場で省エネ警報を認識してもらう方法として、人の注意、音声、ライトなど弊社でも様々な検討が行われました。そんななか、人がいつも見るもので、わかりやすく認識できるものは何かと考えたときに出てきたのが時計です。時計を見る場合にどうすれば警報として認識してもらえるかを考えた結果、今の「SMART CLOCK」のデザインになったわけです。文字盤の回りの色で電気使用量が一目でわかり、50%内の使用量であれば緑、50%~75%であれば黄、75%以上になれば赤、青は瞬時の電気量を示します。この表示ももちろん30分を基準にしています。

ヒアリングを終えて
電気の契約の内容については30分の基準(高圧受電契約)についてはまったく知らなかったので驚いた。これこそ見える化からわかる化ではと思ったしだいである。省エネ監視システムを理解しやすく考えて省エネ活動を普及・促進する日本テクノ㈱のバイタリティにエールをおくりたい。 
写真左より 広報室 室長 中山大志郎氏、瞬時モ-ドと50%以内の使用量を示すSMART CLOCK、SMART CLOCKの説明

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2012/03/16

JETPA  雑記帳  「注目される再生可能エネルギーの買取価格」

Photo_2電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が成立し、従来の太陽光のみに限らず、風力活電、太陽光発電、地熱発電、中小規模水力発電、バイオマスで発電した電気を一定の期間・価格で電気事業者(電力会社)が買い取ることを義務付けている(今年7月スタ-ト)。使用電力に要した費用は電気を利用する国民が負担することになっている。買取価格は国の第三者委員会(調達価格等算定委員会)で決まる。経済産業大臣がいうように原発事故以降、再生可能エネルギーの重要性は高まっており、この買取価格が高いと再生可能エネルギー事業の参入企業が増加して、我国のエネルギー環境分野の発展促進が期待できるが、電力会社は買い取り費用を料金に上乗せできるため、多くの利用者が高い電気料金を支払わなければならなくなる可能性もある。委員会は非常に難しい選定をしなければならないため注目されている。(4月には決まるとの報道)。従来のエネルギーはコストと便利さがメインで論議されてきたが、今後はそれに安全性と環境+αというキーワードが追加されてくる。安くて効率的でありさえすれば万事良しいうわけではない。コストとは一体何か?何と比較して決めているのか?経済全体の話にもなり恐縮であるが、東日本大震災後、生活の根幹であるエネルギーがコスト優先の話になるのはいかがなものだろうか。と思う今日この頃である。

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2012/03/01

工作機械の節電  NACOL            日本アキュムレータ株式会社

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今回は工作機械の節電に取り組む日本アキュムレータ㈱の提案について紹介してみたい。工作機械は製品を世に送り出すための工場の必需品であり、その工作機械のエネルギーを節約しながら、製品を作り出すことができれば、コスト減になり、かつ環境負荷低減(温暖化防止等)にもなる。対外的な企業イメージも変わる。このような魅力的な提案(生産現場にアキュムレ-タを用いて省エネ化に取り組む)を提示しているのが日本アキュムレータ㈱である。

-アキュムレータとは
圧力を持った作動液を蓄える容器で、油圧で動く機械(プレス機、加工機等)をイメージするとわかりやすい。配管の中を油が通っていてその油にポンプで圧力をかける。当然圧力のかかった状態で配管内に油は流れ、その圧力でプレス機や加工機は動く。その配管の経路に窒素ガスを封入した容器(アキュムレ-タ)を置いておくと、油圧で容器内の窒素ガスが押されて縮む。油圧がもどると当然容器内の窒素ガスがもとの容積に戻る。容器(アキュムレ-タ)内で窒素ガスは縮んだり、膨らんだりしているわけだ(図1:写真上段右端 )。ポンプで圧力をかけて(電気エネルギー要)、電気を切っても容器内の窒素ガスの膨張で油圧は維持できることはイメージできる。つまり容器(アキュムレ-タ)を油圧で動く機械に備えるだけで省エネになるわけだ。構造がシンプルで非常にわかりやすい。

-油圧ユニットのアイドリングストップの提案と節電事例
電気を用いて電動機を稼動しポンプから吐き出された作動液が、アキュムレータ内にエネルギーとして蓄積される(容器内のガスが縮む状態)。回路内の圧力が上限設定圧力まで上がったら電気の供給(電動機の稼動)を止め、アイドリングストップ中はエネルギーをアキュムレータから回路に供給する。アキユムレータ内のエネルギーが放出(容器内のガスが膨張した状態)され、回路内の圧力が下限設定圧力より下がったら、電気をふたたび用いて電動機を再稼動し、アキュムレータにエネルギーを蓄積する。この間、機械は動き続けていることはいうまでもない。電動機が稼動を停止している間、消費電力量をゼロにできるだけでなく①作動液の温度上昇の低減(作動油の発熱を抑制し、温度上昇による精度の影響の低減もできる)、②騒音の低減(ポンプや電動機から発生する騒音が連続騒音から間欠騒音になり、労働環境の改善になる)、③作動液の劣化の低減(作動液の交換頻度を現状より少なくできる)以上の3つの効果も期待できる。

ちなみに日本アキュムレータ㈱は、自動車部品加工の穴開け加工機(図2:写真下段左)と、射出成形機(図3:写真下段右)における油圧ユニットの節電改造事例を紹介している。穴開け加工機(図2:写真下段左)においては、アキュムレータ採用によるアイドリングストップ方式への改造と、インバータによる油圧ポンプの回転数制御による改造を比較し、前者では従来比約-95%、後者では約-30%の消費電力量の削減であり、アキュムレータ方式が遙かに優れた成果を上げることを発表している。また、射出成形機(図3:写真下段右)においては、アキュムレータの採用により従来比約-98.6%の消費電力量の削減を達成している。

- まとめ
アキュムレータは省エネの原理がわかりやすいことと、製造現場での、コスト低減や省エネ法(改正)対策にもなる。また環境を核にした社会的貢献にもなり、企業のブランド形成の一助になるだろう。日本アキュムレータ㈱では導入を考えている企業に対して相談に応じている。http://www.nacol.co.jp
日本アキュムレータ㈱の今後の省エネ推進活動にエ-ルを送りたい。

写真 上段左より:節電比較 於)ENEX2012展示、油圧ユニット 
      於)ENEX2012展示、図1:アキュムレ-タの構造
         下段左より:図2:節電事例1、図3:節電事例2

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2012/02/16

ENEX2012 雑感  鈴木理事より

Img_0284Img_0288Img_0290Img_0292東京ビックサイトで開催していたENEX2012(主催:財団法人省エネルギーセンター、後援:経済産業省)を2月3日に訪問した。省エネ大賞は省エネ事例部門22件、製品・ビジネスモデル部門20件が賞を受賞している。
いくつか紹介すると、
省エネ事例部門の経済産業大臣賞(節電賞)はイオンディライト㈱「ビルメンテ会社の強みを活かしたハードとソフトによる省エネ効果の最大化」、
資源エネルギー庁 長官賞(節電賞)は本田技研工業㈱「VOC処理装置導入における省エネ設計とサーマルリサイクル」が受賞、
省エネルギーセンター会長賞は名古屋大学、三菱UFJリース㈱、三機工業㈱、㈱トヨタエンタプライズの「名古屋大学医学部附属病院における管理一体型ESCO事業」である。
製品・ビジネスモデル部門の経済産業大臣賞(節電賞)はパナソニック株式会社アプライアンス社「節電対応ピークカット自動販売機 「魔法VIN自販機」N-EV1120S5、N-1G20W、
資源エネルギー庁 長官賞(節電賞)は三菱電機㈱「家庭用エアコン「霧ヶ峰」MSZ-ZW362S、MSZ-ZXV362S」、
省エネルギーセンター会長賞は熊本電気工業株式会社「照射範囲調整機能型高反射照明器具 「シャインブライト」SBH-401K他全3型式等である。
会場内で目をひいたブースについていくつかあげてみる。JFEエンジニアリング㈱のブースで水和物スラリ蓄熱空調システム(ネオトピア)、電気自動車用急速充電器(ラピダス)、地中熱利用空調システム(ジオトピア)で、とりわけネオトピアはいくつかの技術賞を受けている。日本のビルの10%がこの蓄冷空調システムを導入すると原発1基分の電力デマンド抑制という説明が興味を引いた。次に日本テクノ㈱のSMART CLOCKである。これはエネルギーの見える化を、誰もが目をやる時計の中に組み込みわかりやすく表示していた。工場やオフィス以外にも応用ができる製品ではと思った。最後に日本アキュムレータ㈱の油圧ユニットで節電・省エネ化ができる大変興味のあるブースだった。これらのブースの製品については別途機会があればヒアリングをし、記事にするつもりである。会場ではまだまだたくさんの興味あるブースがあったが、時間の関係上じっくり見ることができなかったのが残念である。今後も環境とエネルギーを結ぶ省エネ技術は環境技術の推進において今後ますます重要になると考えられる。写真:上段左よりビックサイト入口のENEX2012の立看、JFEエンジニアリング㈱のブース、日本テクノス㈱のSMART CLOCK、下段:日本アキュムレータ㈱のブース

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2012/02/01

JETPA 環境インフォーメーション          「低炭素杯2012」

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「低炭素杯2012」全国大会による決勝戦と特別シンポジウム開催(お知らせ)


flair日時:平成24年2月18日(土)、19日(日)
会場:東京ビッグサイト(国際会議場)
未来に向けて低炭素社会をつくるために、全国で様々な草の根活動が展開されています。各地で活動する学校・有志・NPO・企業などの方々が、その優れた活動のプレゼンテーションを通じて発信し、様々な方々との交流を深め、学び合い、連携の輪を広げていくのが低炭素杯です。このたび、全国からエントリーされた多くの団体のうち、厳しい審査を経て選ばれた41団体から日本一を決定します!

「低炭素杯2012」の詳細&参加申し込みはこちらから!
http://www.zenkoku-net.org/teitansohai2012/

「低炭素杯2012」2012年2月18,19日@東京ビッグサイト
http://www.zenkoku-net.org/teitansohai2012/ 
「節電<節エネ=節CO2」家庭ですぐ出来る“冬”の取組み21
 http://www.jccca.org/

一般社団法人地球温暖化防止全国ネット (全国地球温暖化防止活動推進センター)総務企画グループ

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2012/01/16

年頭所感 柴野会長より

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新年明けましておめでとうございます。
昨年は東北地方太平洋沖大地震や台風12号、15号などの自然災害や、東京電力福島第1原子力発電所の事故など、天災、人災が多発した悪夢のような年でした。今年こそ、平穏な良き年になることを祈念して、あえて『新年明けましておめでとうございます。』と書くことにしました。
人は謙虚な性格と傲慢な性格を併せ持っています。これらの使い分けを誤ると大変な人災を招くことになってしまいます。自然環境に対しては、謙虚な気持ちで共生するという心構えが必要です。いくら頑張っても自然の脅威を抑え込むことができないのは、昨年の自然災害を見ても明らかです。自然の脅威を抑え込もうなどといった傲慢な姿勢を取り続ける限り昨年のような大災害は避けられません。
昨年、三陸地方の被災地を訪問してその被害の大きさに表現の術を失いました。それとともに、被災者の皆さんの復興への意欲の強さに人間の強さを感じました。復興への支援は次第に少なくなってきているといわれます。大災害からの復興には長い年月を必要とします。被災者の皆さんが安心して頑張れるよう、私たちは息長く支援を続けなければなりません。どこかの先生が、現地を見て生徒たちに伝えたいと言っておられたと聞きました。我々だけでなく、次の時代を背負う若者たちにもぜひ現状を知ってもらいたいと思います。人間のすることに完ぺきということはあり得ないのです。
相次いだ昨年の大災害の教訓として『人災を0にする努力をします。しかし、人災、天災を0にすることはできません。いかに被害を最小限に食い止めるかについて先人の経験に基づく知恵を含め検討し、努力します。』を今年のスローガンにしたいと思います。
従来は、企業経営にとって必要なことは、『製品・サービスの品質、価格、納期、顧客満足度』でした。
しかし、地球環境問題が喫緊の課題となり、市民の環境への関心が高まると、「地球温暖化、グリーン化、資源循環」といった環境配慮のない企業は淘汰されるようになりました。
更に、世界経済が下降線をたどり、出口の見えない不況に直面している今、企業が生き残るためには何をしなければならないのか。それは、企業の存続を危うくするリスクをいかに少なくするかに尽きると思います。
大企業はすでにリスク対策に着手していますが、中小企業には、まだ必要性を感じていない企業も多く見受けられます。私たちは、このような状況を改善するために支援をしていかなければならないと痛感している次第です。

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2012/01/01

謹賀新年 2012年 JETPAの目標

20121今年もよろしくお願い申し上げます。昨年(2011年)は東日本大震災があり、我国の政治、経済、社会及び生活スタイルや「絆」という言葉で象徴されるようにすべての面での大変革を今後、模索していかなければならない時代に突入したのではと考えられます。技術への考え方、日常生活のあり方、環境と防災という考え方等、復興への道のりの指針は我国の今後の大きな指針になると思われます。付け加えると経済ONLYの考えかたではない今後の社会のあり方ががますます重要になってくると思われます。
本団体は今年も多くの環境技術の紹介と普及を推進していく所存です。ご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。昨年のJETPAはオルガノ株式会社様、ENEX2011、ユーシン建設株式会社様、株式会社NTTファシリティーズ様、エコプロダクツ2011、こうちエコハウス様、大阪府立大学様、省エネルギーセンター様、そして本団体の各理事の活動を中心に展開いたしました。又、恒例になりますが、各環境イベントなどにて様々な分野の方々とのコミュニケーションを活発に行いました。今年(2012年)のJETPAはさらに内容を充実し積極的な活動を幅広く展開していく所存です。
今年のJETPAの環境事業
1.環境技術発掘・評価事業
優れた環境技術を発掘し、評価・広報・普及する活動
2.環境技術の交流・移転事業
内外関係機関、団体との技術交流会、親睦会の開催、環境技術の調査、開発支援活動
3.環境技術に関するネットワ-ク構築事業
産官学による環境技術の研究会・講演会・ゼミナ-ルの開催
4.環境相談事業
環境マネジメントシステム構築、ISO14001認証取得、エコアクション21認証取得・登録支援、環境技術の調査
2012年 元旦 特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 理事一同

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2011/12/16

JETPA 環境インフォメーション                「エコプロダクツ2011」 開催

2011日本最大級の環境展示会の第13回 エコプロダクツ2011が12月15日(木) 16日(金) 17日(土)の3日間 10:00から18:00 (最終日は17:00まで) 入場無料  東京ビックサイトで開催中。 主催:(社)産業環境管理協会、日本経済新聞社 後援:経済産業省、環境省、文部科学省、国土交通省、農林水産省、厚生労働省、(社)日本経済団体連合会、(公社)経済同友会、日本商工会議所、東京商工会議所、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構、日本貿易振興機構(ジェトロ)、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県(順不同)

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2011/12/01

JETPA 雑記帳 「環境と防災」

PhotoPhoto_2新聞やネットで環境防災という言葉を見て、その意味を考えてみた。①自然環境を災害から守るという意味と②人間の作り上げた環境を災害から守るという意味があるのではないかと推察したが、①だと一般的にCO2削減、森林保全、砂漠化防止、オゾン層の維持など自然環境の保全の側面が強くでて、②になると火事や地震や台風の自然災害、労働災害や自動車災害や医療災害等、自然災害と人為的災害から生活を守る(生活保全)の側面が強い感じがする。勝手ながらそう思ったのだが、①と②を比較考量すると重要度は生命がかかってくる分、②の意味のほうが緊急度・優先度が高い気がしないではない。しかし、①②の意味は時間差はあるもののともに私達の生活を守ることを意味している。環境防災という言葉は環境と防災の意味するテリトリー(範疇)が広大で、私達の生活全般を網羅する言葉であると認識したしだいである。
言葉遊びのようになって恐縮であるが、生活防災の観点から環境問題を捉えていくと今までと違った局面が出現するかもしれない。
写真:イメージイラストより

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2011/11/16

ぶらり週末  高橋理事より

12345週末は好むと好まざるとにかかわらず、必ずやって来るものであるが、若い頃はその前日ともなれば、自然と胸の高まりを感じたものである。最近はと言えばその頻度たるや年に数えるほどしかないことに気付き、内心複雑な心境になることもしばしば。勿論そんな時でも他人には「忙しさにかまけて、なかなか自分の時間をもてないんだよ」と強がりともいえる言葉を発してしまうのだが。そんな日常をごく当たり前と思って過ごしている小生が、先日久しぶりに、本当に久しぶりにドライブに出た。きっかけは家から10分程の所に大型日曜大工店があり、そこにテーブルの材料を買いに出かけたのであるが、道中あまりの天気の良さにつられ、ついつい店の前を通過してしまったことにある。気付くと車は利根川の土手を快適に銚子方面に向かって走っていた。稲刈りの終わった田、風になびくススキの穂、真っ青な空、ドライブには又とない日和であった。が、20,30分もすると何か不自然な光景が目に入るようになった。それは住宅の屋根にブルーシートが被せてある家がだんだんと増えてきていることであった。更に足元に注目していると、利根川の土手にも長々とブルーシートが敷かれ、土嚢が積まれていることに気付いた。道路も波打っている所もある。これらは先の震災の影響であることは直ぐにわかったが、自然の持つエネルギーの大きさを改めて考えさせられた。

そうこうしているうちに香取市に入った。以前鹿島工業団地に仕事で何度か行ったことがあり、途中香取神宮の案内標識があったのを思い出した。震災で大きな被害を被った被災地の復興を祈願しようと立ち寄ることにした。香取市の繁華街を突き抜け暫く行くと左側に道の駅があり、それを過ぎてまもなくT字路を右折し道なりに5,6分走ると香取神宮の大鳥居が見えてくる。ここに車を駐車した。
香取神宮の御祭神(経津主大神)と利根川を挟んだ茨城県の鹿島神宮の御祭神(武甕槌大神)の2神が日本国を平定したと、出雲の国譲りの神話に出てくるなど、古くから国家鎮護の神として崇敬され、大正天皇も御参拝されるなど皇室からも御崇敬が篤い。平安時代には伊勢神宮、鹿島神宮、香取神宮のみが「神宮」のご称号を以って奉祀されていたという格式高い神社である。

さて大鳥居の前にはお店屋が並び、名物草団子やお食事処、土産屋が軒を連ねる。大鳥居は朱塗で上反り型(利根川を挟んだ茨城県鹿島神宮は白塗アーチ型)、ここから境内に入る。玉砂利が敷かれた緩やかに左に曲がった参道を進むと異様な光景に出くわす。参道の両脇に並ぶ多くの石灯籠の半分ほどが、無残にも崩壊してしまっている。先の震災で倒れてしまったのである。まもなく左側に護国神社の案内が目に入る。香取出身の御霊を御祭神として祭っているが、その横に「要石」がある。これは古くからこの地方は地震が多く、その原因が地中深くに住む大ナマズが暴れることによると信じられていた。そこで香取神宮の大神様は大ナマズの頭と尻尾に石の棒を突き刺し、鎮めたといわれている。その石の一部が地表に出ており、水戸光圀公が参拝の折この石を掘らせたが根元を見ることはできなかったと言われている。しかし今回の大地震では、暴れまわる大ナマズをこの要石を以ってしても押さえ込むことは出来なかった。

まもなく参道を上がったところに総門がある。両脇には1対の古瀬戸の狛犬がある。室町時代の作といわれており、重文登録されている。小さいから見過ごし易い。総門をくぐると雰囲気が一変する。外部の喧騒と遮断された別世界に足を踏み入れた気がする。正面には楼門、江戸時代に建造されたもので屋根は“とち葺”だったようです。桜上の額は東郷平八郎の筆によるもの。この楼門も重文となっている。

楼門をくぐると正面に拝殿その後ろに本殿が目に飛び込んできます。これは江戸時代徳川幕府により造営されたもので桃山様式を取り入れ、屋根は元は柿葺でしたが現在は桧皮葺となっている。神社建築を代表するものとして重文に指定されている。拝殿では結婚式が行われており、笙、篳篥の音が境内に響き渡り、一瞬心が清められる思いがした。本殿は平安時代には20年毎のお立替制度があったが、戦国時代になくなった。伊勢神宮では20年に一度の式年遷宮が今も行われている。被災地の1日も早い復興と目の前で執り行われている若いカップルの将来が光り輝くものになるよう手を合わせ祈願した。

拝殿左には大正天皇御参拝の折に植樹された御手植松があり、また右側には御神木(樹齢1000年、胴回り7.4m)が空を付きぬけるように聳え立っている。本殿横を通り裏に回ると御神木に劣らぬ杉木立が続く。その奥に奥宮があり、これは伊勢神宮遷宮の折の古材を使って建立されたものである。杉木立の合間から見る本殿もまた趣があって心を打たれる。こじんまりとした香取神宮であるが、小生今まで見た神宮の中でも特別な感慨に浸れる1つであった。

すばらしい秋空に誘われて、確たる目的を持たないままのドライブであったが、小生にとっては貴重な時間を過ごすことが出来たと満足している。
さて利根川を渡って隣の今テレビで放映されている塚原朴伝・鹿島神宮へ足を伸ばしてみるか。

写真 上段:左より 香取神宮大鳥居、倒壊した石灯籠、参道
         下段:左より拝殿、本殿

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2011/11/01

JETPA雑記帳 エネルギー (蓄電技術への期待)

52エネルギーは私達が生活する上で必要不可欠なものであり、①何をエネルギーにするのかという問題と②エネルギーをどのように使うかという問題が密接に絡みあっている。この問題の選択と使用方法が社会のインフラに大きな影響を与えることはいうまでもない。①の何をエネルギーに使うのかという問題に対しては、資源枯渇を考えると人類は長期的展望に立って再生可能エネルギーの方向性を取らざるを得ないだろう。次に②のどのように使用するのかという問題になると従来のエネルギー量の維持を前提に現実的発想をしていくと無尽蔵に近い再生エネルギーを溜めて使用する方法が効率的で、対応可能な方法ではないかと思われる。(もちろん、エネルギー量・効率、コストの問題が使用する各々の機器に個別にはあることはいうまでもない。)駐輪場の屋根に太陽光発電パネルを置き充電させて電動自転車に使用するスマートなビジネスモデルがあったと思うが、この再生エネルギーのビジネスモデルはエネルギーの将来展望において意味深である。今後、再生エネルギーを蓄電し使用する社会インフラの大きな制度設計が必要になってくるだろう。又、コモディティ化する経済においてはブランド化の優先順位は当然、高くなる。とすれば社会インフラに大きな影響を与えるエネルギー分野における蓄電技術の推進はスマートで安全でクリーンという大きなブランドになるだろう。再生エネルギーを溜める技術の推進が私達の従来の生活と経済を発展させる大きな鍵であることを強調しておきたい。(図:イメージイラストより)

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2011/10/16

「東日本大震災の被災地をみて」 柴野会長 より

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平成7年1月17日に発生した兵庫県南部地震による阪神・淡路大震災の後、私は現地へ行って、報道では感じられなかったある種の感情に襲われた。それは、大自然の力の大きさと、自然を征服しようとした人間の力の小ささに驚くとともに、自然に対する畏怖の念に基づくものであった。それとともに、伝え聞くのではなく、実際に自分の目で見ることの大切さを知った。このような経験があったので、平成23年3月11日東北地方を襲った東北地方太平洋沖地震による『東日本大震災』の状況を実際に見てみたいと思っていたところ、先日産業廃棄物関係の仕事で岩手県盛岡市へ出かける機会があり、少しの時間であったが、被災の状況を見せていただいた。私の住んでいる富山から妻の運転する車で行ったので、仙台市の状況を高速道路からではあるが見ることが出来た。東北自動車道を仙台南インターで降りて、仙台南部道路、仙台東部道路、三陸自動車道、仙台北部道路を経て東北自動車道へ戻り岩手県に向かった。仙台空港方面へも行きたかったが、時間の関係で行くことが出来なかった。

大地震と言えば阪神・淡路大震災のイメージが強かった私にとって、仙台市内の様子は私の思っていたのとは全く違っていた。直下型の地震であった兵庫県南部地震では、高層ビルが倒れ、高速道路の倒壊もあった。一方、震災後半年を経過していたことと、高速道路を走行したこともあるが、仙台市内の様子は神戸と比べて様子が違っていた。農村地帯で一部の家屋の胸にブルーシートがかけられているのを見て地震があったのかと分かる程度であった。盛岡市での仕事を終え岐路についたが、途中、陸前高田市から気仙沼市へ向かった。

陸前高田市の海岸部へ出てみると、今まで見たこともない光景が一面に広がり、このようなことが起こりうるのかと自分の目を疑った。見渡す限りガレキの集積所と化しており、民家の建物の姿はなく、かろうじて基礎の部分が見られるのみで、鉄筋の建物についても1階部分は空洞化し、それより上の部分には、津波で流されてきたいろんなものが引っかかっていた。

現地を見て、市民やボランティアの皆さんの活動が活発で、いたるところで重機が動き、ダンプカーが頻繁に行き来しているのが印象的であった。そして、ガレキが非常にていねいに分別され、集積されていたこと、被災した自動車の数が非常に多かったことに驚いた。これらガレキの処分については、廃棄物処理法の問題があり、なかなか進まないとの話である。海水をかぶっているので燃やせばダイオキシンの心配があり、再生利用しようとしても品質に問題が出るという。法律問題よりも、被災者の生活環境の建て直しが大事であり、超法規的な処理が必要であることを痛感した。
陸前高田市から気仙沼市へ向かおうとしたとき、周りに何もない海岸に一本の松の木がすっくと立っているのが目に入った。海岸に植えられていた多くの松のうち生き残った、たった一本の松である。樹木医や市民のひっしの願いを受け、懸命に生きようとしている姿が、痛々しい中にも力強さを感じさせられた。流された多くの松の分も長生きしてほしいものである。海岸線を走っていて、海に近いところの木の葉が茶色く変色しているのが印象的であった。すこし入ったところの木がなんともないところを見ると、根の部分が津波をかぶったのだろう。痛ましい限りである。
今回は、廃棄物の状況を見せていただいたが、被災者の方の生活、その他の面でも同様であろうことが想像できた。行った時は、ちょうど台風15号の襲来による大雨などがあり、思うように動くことが出来なかったが、被災地を見せてもらって良かったと思っている。被災者の皆さんからお叱りを受けるかもしれないが、まさしく「百聞は一見にしかず」である。そして、一時的なものではない支援をしていかなければならないことを、身にしみて感じた次第である。また、岩手県の人から聞いた話であるが、津波の被害を受けられた地域の神社の多くが難を免れ、そこに避難された人たちが数十人単位で助かったそうである。過去に幾度か津波の被害を受けた先人の知恵なのだろうか。大津波は、おおむね100年間隔でやってくるので、世代間の伝承も薄れがちであり、どうしても便利な海岸近くに商店や施設が出来、市民も集まり、被害を受けやすいのだという。科学の粋も良いが、先人の知恵や経験も参考にする必要が有るのではないかと思う。

写真説明
写真上段左より1枚目:おびただしい数の被災車両。このような山が何ヶ所かあった。
2枚目:建物がなくなった場所にとガレキの山。重機が忙しく動いていた。
3枚目:ガレキの山と、3階まで津波が来た跡が見える。
中段左より1枚目:建物がなくなったあとが今も浸水している。
2枚目:道の駅「高田松原」の1階部分には何もなかった。
3枚目:右手奥にただ1本残った松が見える。
下段:谷沿いに津波が上がってきたのか民家は基礎を残すのみ、根元が海水に浸かった山の木がかれている。

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2011/10/01

森川先生(2) 末松理事より

今年(平成23年)の近畿地方の夏の山沿いでは、例年になく多くの雨が降りました。私が通う鮎の漁場近くの降雨量を調べてみると、7月約600mm、8月約300mm、9月1700mm以上と非常に多量の雨が降っています。河川は増水し鮎日和の日が少なかったようです。近年河川環境の悪化と鮎質の劣化が進行し、鮎の食味はもとより鮎釣りの醍醐味が少なくなり、年齢と伴に鮎・鮎釣りへの執着がだんだんと少なくなっているように思えます。これに反比例して河川環境の悪化を嘆く心は年々大きく成長します。この現実に対して私は何をすべきなのか。何ができるのか。
 このままどんどん河川環境が悪化するのなら、「せめて現況の河川環境の実態を記録に残して置きたい」と。「来年この景色はなくなるのでは」という恐怖感に駆られて、「もっと早くから記録しておけばよかった」という反省のもと、最近では渓流景色のビデオ撮影や写真撮影を始めています。
幸いにも今夏、高性能・軽量の水中カメラを獲物としましたので、これで撮影した写真を見ていただきたいと思います。しかし何分素人で不慣れなカメラ扱いでありますので、若干ピントのずれた部分についてはご容赦願います。
1_2写真1 『渓流風景①』
大雨後3日。
極若干の「白にごり」が残っている。

2_2写真2 『渓流風景②』
渓流遠景。
昔の渓流の名残を感じる風景。

3_2写真3 『渓流風景③』
渓流遠景。右岸曲がりに大きい礫の堆積が見られる。(谷筋より落下?)
岩と木の境界や岩盤の色の違いから、大水が出る高さが推定できる。


4写真4 『渓流風景④』
渓流と巨岩。美しい渓流に見えるが、中央左部分の右岸斜面崩壊。落ち込み下の淵が無くなり、急流となっている。

5_2写真5 『渓流風景⑤』
大雨後3日。玉石に珪藻は付いていない。
水質はよさそうだ。


6_2写真6 『渓流風景⑥』
大雨後3日 濁流で移動し大石が磨かれたためか、表面が真っ白な岩
後方、平水時には目立たない滝が出現。

7_2写真7 『水中写真①』
大雨後3日。
急流では、珪藻が飛んでしまっている。

8_2写真8 『水中写真②』
落ち込み手前の水中写真。大雨後10日でいい色の珪藻が付いている。
         下流側に小砂利が堆積。


9_2写真9 『表層崩壊』
十数年前の土砂崩れ跡。
緑がなかなか回復しない。

10_2写真10 『渓流風景』
渓流激変。左岸右岸ともに砂礫の堆積が著しい。アマゴの逃げ場所が少なくなっている。


11_2写真11 『豪雨初期渓流風景①』
谷筋から濁流が支流へ。

12_2写真12 『豪雨初期渓流風景②』
集中豪雨で濁流になりつつある支流。岩の間に草が茂っている。十数年前はこのような草が生えていなかった

13_2写真13 『渓流風景⑧』
渓流激変。大雨後右岸に堆積した大石・岩(高さ約2m)
水流で運ばれてくる。

14_3写真14 『チビアマゴ』
砂利床を泳ぐ小型アマゴ。
尾びれの橙色が美しい。
堆積砂礫の小ささがわかる。

15_2写真15 『放流天然鮎①』
大雨後10日。落ち込み手前の珪藻が付き始めた岩を「なわばり」とする小型鮎。


16_2写真16 『放流天然鮎②』
身をくねらせて珪藻を食む直前の鮎。

17_2写真17 『放流天然鮎③』
一等地に「なわばり」を持つ鮎。
撮影していても逃げない。

18_2写真18 『鮎の食み跡』
二筋の笹の葉状の食み跡の幅で鮎の大きさがわかる。
この程度の食み跡では鮎の数は少ない。

19_2写真19 『腐れ垢?』
珪藻の色に注目。
モヤモヤした感じで剥離しやすい。
手前に緑がかった珪藻(緑藻?)が見られる。

20_2写真20 『川の獲物』
水はきれいが香りの少ない「香魚」鮎。
今年の鮎は小ぶりでした。(20cm~22cm)


各写真を一見すると、美しい渓流風景と感じる方が多いと思いますが、鮎釣りを始めた昭和50年代から比べても大雨が降る毎に河川風景が徐々に悪化していることを否定できません。過去の降水量データと河川環境の変化を見ると、2,3日で300mm~500mmの大雨があると土砂崩れが発生し、河川では大石が動き渓流風景が激変しているように感じます。同時に土砂の堆積が進行し、土砂崩れ跡の緑の修復が進行する前にまた大雨が降ってしまうという降雨強度の増大と頻発による悪影響を受けているようです。大雨による土砂崩れを起こしている森の状態はどのようなものなのか。どのような森が土砂崩れを起こし易く、どのような森が起こし難いのか、崩壊現場での検証が必要です。近畿の杉林と屋久杉の森の違いはどうなのか。広葉樹の森と針葉樹の森の違いはどうなのか。答えが出てくるのではないでしょうか。

 8月25日に発生したスロー台風12号による空前の降雨により紀伊山地の十津川水系では、明治の大水害以来の甚大な水害が発生しました。そして深層崩壊と呼ばれる大規模な土砂崩れにより天然の堰き止め湖が出現しています。大雨による川相の変化どころの話ではありません。航空写真で見ると1平方キロメートル程もあるのではないかと思えるような大規模な山自体の片面全体の大崩落により、十津川支流が堰き止められ、既存の人工ダム湖に相当するような湛水面積の土砂ダム湖が、今後の大雨により出現するのではないかと心配しています。既存ダムの有効貯水量が約1700万トンに対し、これらの土砂ダムが満水になれば500万から800万トンと計算されているようですが、決壊すればどのような連鎖被害を及ぼすことになるのでしょうか。下流の人工ダムは受け皿になれるのでしょうか。

 自然の猛威を想定外とした原子力災害、人智の及ばぬ天然災害。本当でしょうか。思考停止と継承不全、そして想像力の欠如。人類は野生の直感を無くしているのでしょうか、それとも情報が頻発・過大で処理できないのでしょうか。この土砂ダムが都会の上流にできていれば対策は変わるのでしょうか。同様の降雨が2回連続する確立は想定外ですね。自然体で修復してください。森川先生。

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2011/09/16

「電力不足と企業努力」  柴野会長より

Photo地球温暖化の問題は1950年代から議論されているが、1992年ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」で、「気候変動枠組み条約」が採択され、155にも及ぶ国が署名したことから、急速に現実味を帯びてきた。その後、1995年京都で開催された第3回締約国会議において、削減目標等を定めた京都議定書が採択され、2002年に京都議定書を批准した日本も、二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けて官民あげて努力を重ねてきた。二酸化炭素(CO2)排出量削減とはどういうことなのか、一般的に、二酸化炭素(CO2)排出量削減とは、エネルギー使用の効率化・削減のことを指す。私たち環境分野の人間は、地球温暖化問題解決の手段として二酸化炭素(CO2)排出量削減を企業等に要請する。そして、企業側は、建前として地球温暖化対策としての二酸化炭素(CO2)排出量削減を実施する。しかし、本音は、エネルギー使用量の削減で経費の削減を図り、健全経営が目的だという企業が多いのではないか。
私が企業を訪問して、環境問題としての二酸化炭素(CO2)排出量削減を持ち出すと、省エネは十分に実施しており、これ以上の削減は難しいと言われる経営者が多く、このような状況にまで努力してきた企業にとって、今回の原子力発電における事故の結果としての節電要求は、経営者の頭を悩ましている。製造業では、休日を変更して、土日に仕事をする会社、減力使用量の少ない夜間に就業時間をシフトする会社、海外移転を進める会社等、会社の生き残りを賭けて必死に対応している。一方、人を対象とするサービス業などは、上記のような対応が取れない。店舗の明かりをすこし暗くする、エレベーター・エスカレーターの一部を止めるなど、お客さんの協力がないと実現できないような対策をとっている。

私の知っているホテルの経営者の意見(気持ち)を紹介しておく。
 『私たちのホテルを利用してくださる皆さんは、何を求めて来てくださるのか。一年に何回もあるものではない心身のリフレッシュの旅。心を癒して次への活力にしようと来てくださるお客さんが多い。そのような目的でこられるお客さんに満足してもらうのが私たちの勤めである。お客さんの見えないところで節電の努力をして、それでも目的が達成できないときは、心ならずもお客さんに協力をお願いする。このような状況から一刻も早く脱却して、心身ともにリフレッシュして満足していただいたお客さんを送り出したいものである。』このように、全国の企業がぎりぎりの努力をしているという実態を東京電力の幹部は知っているのだろうか。非常事態マニュアルの提出状況を見ると、国民に迷惑をかけたとの反省がどこにも見当たらない。
写真:イメ-ジイラストより

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2011/09/01

インドネシア・ジャカルタの小事業所の            環境事情   古明地理事より

1.2011年1月、5年ぶりにジャカルタを訪れる機会があった。短期間であったがジャカルタ、その近郊の2ヶ所の事業所を見学できた。主に排水の問題を中心にその現状を報告する。
2.排水の現状
(1)豆腐製造所
 訪問したジャカルタの豆腐製造所は家族中心の豆腐製造所であり、1ヶ所に同業者が複数立地する形のものであった。付近の水路は白濁した汚染水であり、悪臭を発生させていた。写真1にその状況を示す。
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写真1 豆腐製造所付近の水路とごみ集積所
製造過程で発生する有機質の廃棄物は約20㎥の地下タンクに集積し、メタン発酵し、発生ガスを燃料として使用していた。
地下タンクの概要を写真2に示す


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写真2 メタン発酵のための地下タンク、及びガスの導管

簡単な構造物であるが写真3に示すように家庭燃料としての使用には十分であった。


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写真3 メタン発酵により発生した家庭用ガス燃料
このように有機性の廃棄物を汚泥として焼却するのではなく、高BODの有機排水と共にメタン発酵によるガス燃料として使用する方法はガスタンク等安全に貯留できる方法を確立すればさらに利便性を増すことが出来る。製品を写真4に示す。


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写真4 製造された豆腐


(2) 染色工房
 次に訪問したのはインドネシアの伝統的な植物染料を使用し、スカーフ、テーブルクロス、バティック等の製品を製作する10名程度の規模の小規模の工房であり、高級な製品のメーカーであった。ここでは蜜蝋で細密図案を描画し、染色をする工程が幾つかあった。使用後の廃棄物は大部分が植物性の有機物であるので固形物はコンポスト、廃液は敷地内で地下浸透し、処理していた。
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写真左:染色材料(樹皮)、写真右:ロウケツ染め

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8写真左:染色操作
写真左:廃液の地下浸透

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写真5 固形廃棄物のコンポスト


3.まとめ 
小規模事業所の排水は周囲の環境に大きな負荷を与えているとは考えられないが処理の方法は2事業所とも非常に初歩的な方法であることから、さらに環境への負荷の少ない、かつ低コストの処理方法を採用していくことが求められる。豆腐工場の場合、付近の排水の汚濁に少なからず関係している可能性がある。これらの個人営業に近い事業所であっても、業種ごとの製造から廃棄までの製造記録とか、作業標準とか、また環境負荷の少ない工程等を推進していくことが必要であり、当機構の今後の活動にも関係してくる分野でもある。

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2011/08/16

JETPA 雑記帳「人口増加と環境問題」 

2環境問題を考えるとき、エネルギーの枯渇、温暖化防止、土壌汚染、ヒートアイランド、大気汚染、生物多様性の問題等・・・個別のキーワードが頭をよぎり、各々様々な大きな問題を抱えていることがわかる。人間の過剰な行いが地球環境に悪影響をもたらしていることは既にロ-マクラブの「成長の限界」の指摘がある。地球の適正人口は50億といわれているが、1987年に50億をオーバーして人口過剰になり、2050年には90億人を越えるという説もある。地球を国境がない共有地だとするとエネルギー問題と食糧問題は人口問題であることがイメージできる(足りないところを足りているところが補うイメージとパイがひとつであるイメ-ジ)。人口が増加すると共有地の食糧増産とエネルギー増産をしなければならないことは誰でも理解できるだろう。世界は人類の共有地という考えに立てば人口政策の重要性は明らかだが、これを個別の国々にあてはめると非常に難しい。たとえば国際機関等で各国の適正人口を計算して、各国に適正人口を割り振るとしたら、各国の適正人口を誰がどう決めるかの問題が出てくるだろう、また、適正人口を決めるとそれが国力の問題と結びつき、ある国は自国の人口を増加して国力をUPする考えもでてくるだろう。また、逆に人口が増加して食糧難やエネルギー難になり国力がDOWNする国も出てくる。当然、掟破りの国もでてくるだろう。貧困と繁栄、環境破壊、・・・いろいろな問題が噴出する。しかし、ほっておくと世界人口は増えて食糧、資源の争奪戦になり、地球全体の問題になることは間違いないと思われる(その先は自然淘汰で人口減という説もあるが)。CO2の排出量を決めた温暖化防止の国際条約以上に人口増減に対してなんらかの国際的インセンティブをつける政策提案が必要ではないだろうか?
写真:イメージイラストより

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2011/08/01

「エコハウス」 青木理事より その2

高知の町の中心からバスにゆられること約1時間で、十字パークタウン近くの「県住前」バス停に到着するとバス停から歩くこと2分で住宅街の見晴らしの良い場所に建てられているのが「こうちエコハウス」である。2010年春にオープンしたサイトである。1_22_2
写真左. こうちエコハウス
 このモデルハウスは、ソーラー棟に子世帯(夫婦と子供2人)、バイオマス棟に親世帯(夫婦)が住むことを想定して2世帯住宅として設計されている。 いま流行のハイテクなソーラーシステムを採用した北棟と、バイオマスを用いたローテクなシステムからなる南棟を玄関ホールでつなぎ、それぞれを自在に比較、体験できるようになっているモデルハウスである。 3_24_2
写真左から エコハウスの概略図、玄関ホール(右がソーラー棟、左がバイオマス棟)
 
これから家を建てたいと考えている人やエコハウスの技術を習得したい建築技術者の体験学習の場として、また小中学生の環境教育の場としても、活用できるようとの思いで 「高知県エコハウス普及推進協議会」によって完成した。 協議会は、「高知エコハウスプロジェクト」を推進するために2009年10月に設立され、県内の有識者、関連団体、住宅建築関連事業者、行政機関で組織されている。 この協議会は、県内でのエコハウスの普及に向けて一般県民の方にエコハウスに関する知識や情報を普及促進する「広報委員会」と、建築設計士や施工者など実際に設計や工事に関わる方に対して建築のエコ技術を普及促進する「エコ技術推進委員会」で構成されている。 構造は木造在来軸組構法で、傾斜面に対してコンクリートで高基礎を造り、その上に木造の建物を建築している。建物に近づくと先ず目に付くのが空間状態になっている床下である。つまり、敷地の造成なしで建築可能となり、地形を活かした建物になっているのである。
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写真左 木造在来軸組溝法のエコハウス

土台には高知県産の桧、その他の柱、梁などの構造材には高知県産の杉を使っている。木を多く使う木造は他構法と比べ二酸化炭素(CO2)排出量を削減するだけでなく、地場産材を採用することで高知県の森林を守ることにもつながるという。そして同時に、運搬時のCO2削減と地域産業の活性化にも貢献することから地産地消を実践することにもなる。 夏はエアコンなどの冷房が不要なように作られ、冬は木材チップによる暖房するシステムが導入され、暖められた空気を家全体に循環できるように工夫されている家である。つまり「呼吸する家」なのである。12のエコ技術が採用されているエコハウスなのである。
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写真左 木材チップによる暖房、 工夫された空気循環

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写真左 モデルハウスに採用された12のエコ技術、
写真左: 雨水の再利用 

西側は壁面緑化としてゴウヤや朝顔を植えて、ツルをはやして夏の西日を遮り、家の壁が温められないように自然を利用した工夫も実施されている。 また、雨水も貯め、洗車や庭の草木用の水として使用して上水道を出来るだけ少なくするなどの工夫もされている。 屋根には太陽光発電パネルが搭載され、太陽の恵みも最大限、使用するようにもなっている。高知県は、全国一の森林率を誇る県でもある。その森林の豊富なことも活かして、暖房に木材チップを使って暖めるようにも工夫されている。

こうちエコハウス
月・火が休館日で、朝10時~16時まで予約なしで見学が可能で問合せ先は高知県エコハウス普及推進協議会事務局:高知県商工労働部新産業推進課 TEL 088-823-9750 FAX 088-823-9261
http://www.kochi-ecohouse.com

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